私の父は家業を継ぎ、鉄工所を運営して一人で働いています。どんな仕事をしているのか、やりがいはどこに感じているかなどついて取材してみました。(高校生記者・すあ=1年)
自宅の隣にある鉄工所が職場
―鉄工所の仕事の内容は?
金属、主に鉄を切削加工することかな。
自宅の隣にある工場で働いてる。いつも1人で仕事をしているから、会話をするのは、社員じゃなくてお客さん。専用機メーカーの人たちだね。
仕事の流れは、日によって違うね。でもほぼNCフライス盤による切削加工だよ。
―NCフライス盤って何?
機械部品や金型など、複雑な形の部品加工に使われる工作機械だよ。
加工も事務も全て一人で行う
―この仕事をしようと思ったきっかけは何?
家業が鉄工所だったから。最初は別の会社に勤めていたんだけど、遠くに移転してしまったからということもきっかけの一つかな。
―この仕事をするうえで必要な資格や技術は?
資格はいらないけど、経験を積む必要があるかな。ほとんどの会社にはいろいろな部署があるけど、うちの場合は1人でやっているから、全ての作業をやる必要があるんだ。機械の加工から、事務作業までね。
お客さんから「やっぱりプロだな」と言われ
―技術はどう身に付けたの?
機械加工のノウハウは最初に勤めていた会社で身に付けたよ。それ以外のことは、まわりの同業者に助けてもらったり、自力で身に付けたりだったよ。
―下積み時代で印象に残っているエピソードは?
緊急の仕事で、2人のお客さんが後ろで待機していたときのことかな。自分が加工をしているときにその2人が会話をしていたんだ。2人が自分の姿を見て「やっぱプロだな」と言っていたことかな。
緊急の仕事にも対応できたときにやりがい感じる
―仕事のやりがいを感じるのはどんなとき?
緊急の仕事に対応できたときだね。
―この仕事の厳しいところや大変なところは?
直近だと、コロナ禍で2割ほど売上が減ったことかな。加工しながら会社としての全ての仕事をこなさないといけないから、それが大変だね。
―この仕事に向いているのはどんな人?
大勢の人とコミュニケーションをとるのが苦手な人かな。特定の人とコミュニケーションがとれればいいと思う。
―仕事の魅力は何だと思う?
お客さんから提供される複雑な図面の寸法を、指示通りに加工することだと思うよ。
―この仕事は将来、どう変化していくと思う?
職人がいなくなって、コンピューター化が進んでいくと思うな。高校生に伝えたいのは、いろいろな人とコミュニケーションすること。それはやっぱり大事だと感じてるよ。
取材追記 早朝からはたらく父のすごさを実感
今回、父に鉄工所での仕事について取材して、父がたくさんの仕事を毎日こなしていることを知りました。大変であることは以前から知っていましたが、朝6時30分ごろから働く父のすごさに驚きました。私は人とコミュニケーションをとることがあまり得意ではないけれど、これからの自分のために頑張っていきたいです。