高校生の楓音さん(3年)はLGBTQ当事者。体が男性で、女性として生きていくことを望むMtFのトランスジェンダーです。打ち明けられないつらさ、男子らしさを求められる苦しさを話してくれました。

周りからの冷やかしを感じて

これまでを振り返ってみると、嫌だなと思うことが今までに3つありました。

LGBTQ当事者として感じることは?

1つ目に「冷やかし」です。私がそれを強く感じるようになったのは、小学校高学年からです。トランスジェンダーであることをカミングアウトしたはるな愛さんを、「はるな愛ってさ…」というように話をしていたことがありました。

そのころ私はカミングアウトしていたわけではありません。ですが、自分のことを言われているような冷やかしを感じていました。

親には打ち明けられない

2つ目に「理解してくれる人がリアルに少ない」ということです。

親など、年齢が高くなればなるほど理解が得られにくい感覚を覚えます。私は周りに似たような悩みを持っている子がいたり、クラス全体が仲よしで、話をちゃんと聞いてくれたりする人が多かった分、カミングアウトしやすかったです。

しかし、ほかの同学年の子には気持ち悪がられて、「おかま」などと言われたことがありました。

親には特にカミングアウトはしてないです。というか、とても昭和の価値観を持つ人なので、理解を得られそうになくて言い出せないし、言おうとも思っていません。正直、伝えた場合の反応を予想できるという部分もあります。それによって生きづらくなっているのも確かです。

理解してくれる人は少ない

「男子らしさ」を要求される

3つ目に、男らしい、女らしいなどの「らしさ」の要求です。これに関しては、本当にどうしてなのかと思うことが多いです。

高校生だからこうしなければならない、女の子だからこういう振る舞いをしなければならない。私自身とても嫌いなんです。男子らしくないから「おかま」と言ってみたりだとか。そのように言う人は、型からはずれた人をけなしていると理解していないと感じます。どのような状況であっても、生きようと頑張っている人に対しての侮辱だからです。

人は、「その人なりの生き方」をしているのだから、理解し合い尊重と思うんです。私のクラスの学級目標「お互いを尊重しあい、高め合う」のように、LGBTQの人と共存できる社会になるといいなと思います。(楓音=3年)