石川梨良さん

受賞理由 
 数多くの国際大会を経験し、各ジュニアサーキットでは上位に進出し、ジュニアサーキットファイナルでは3位入賞を果たした。海外では、他国の選手との交流を図り、国際的な活動をしている。学校では同じ目標に向かう仲間たちと切磋琢磨し合いながら、スポーツと学業の両立を目指し、卓球で世界一になるために日々鍛錬している。

日本と海外をつなぎたい

高校生になってから海外遠征や合宿が増え、卓球に勉強に忙しい高校生活を送った。「スポーツクラスということもあって、クラスメートが全国や世界を目指して頑張っているので、気持ちを共有できたり、刺激をもらったりして切磋琢磨できたので本当に楽しかったです」

1年次から卓球部のキャプテンとしてチームをまとめる役目も担い、競技以外の苦労も絶えなかったという。それでも「言われたことをただやるだけではなくて、自分自身のことや周りの部員のことも自分で考えて行動できるようになりました」と、この経験を前向きにとらえている。

夢は、2020年の東京五輪でメダルを獲得すること。実はもう一つ、高校2年生で経験した国際大会で海外に友達ができたことをきっかけに「海外と日本をつなぐ仕事をしたい」という夢ができた。卒業後は卓球のために実業団に入る選択肢もあったが、この夢のことも考えて大学で英語や、日本と海外の文化を学ぶことを決めた。

「外国人選手とメールなどでやりとりをしていく中で、英語が必要だと実感しました。広い世界でいろいろと学びたいと思い、大学進学を決めました」

二つの夢を見つけた高校生活に別れを告げ、希望の未来へ新しい一歩を踏み出した。

(田坂友暁)

石川さんへのQ&A 

Q.スポーツに打ち込む高校生へのアドバイスはありますか?

コーチの方々に自分から積極的に話しかけていくことが大切だと思います。自分から周りとコミュニケーションを取るようにしてほしいですね。そのことで新しく気づくことも出てきますし、学ぶことも多いと思います。それはスポーツだけではなく、私生活でも役立つと考えています。

Q.石川さんはそれをできていましたか?

振り返ると私に足りなかったところだと思います。言われるのを待っているのではなく、「今の技術を見てほしい」とか「こういう場合はどうしたらいいのか」とか、もっと自分から行動すればよかった、と思うことはありました。

Q.指導者から言われて心に残っていることはありますか?

目標があいまいで練習に身が入らないことがあって、コーチから「目標設定をしてから練習に来なさい」と言われたことがあります。そういうときは、部屋で次の目標や試合の反省点、自分に足りないものなどをノートに書き出しました。そうやって、一度立ち止まってちゃんと目標を明確にすることで、モチベーションも上がるし、良い練習ができます。

Q.朝練習に学校、帰ってからまた練習と忙しい日々だったと思いますが、時間の使い方についてアドバイスはありますか?

私は「時間を守らないとダメ」という意識が強いんです。だから、学校から帰ったらまずはやることを全部終わらせてしまいます。高校生なので、時間があるとどうしても携帯を見ちゃうんですけど(笑)、そこは我慢。まずはやることを先に決めて、すべて終わらせてしまう。それで余った時間に自分のことをやるようにしています。そうすると、結構自分の時間って作れるんです。

学校の特色 
 正直・礼儀の校訓にのっとり、生徒たちはあいさつの交換を励行しています。また自主・協力・責任の綱領を実践すべく今何をすべきか、今何を言うべきかを考えながら、社会の中での自己の在り方が納得のいくものであるよう心掛けています。