オススメの小説を高校生記者のHalyさんに紹介してもらいました。

思わず食べたくなるスイーツ描写×推理小説の斬新コラボ

『ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)』/七月隆文著(新潮文庫、630円=価格は1巻、税抜)

私が紹介する小説は、『ケーキ王子の名推理』です。

ケーキが大好きな女子高生・未羽は、たまたま訪れたケーキ屋で、パティシエ修行をしている同じ高校のNo.1イケメン、冷酷王子こと最上颯人と遭遇します。2人がお菓子の知識で、他人の恋やトラブルを鮮やかに解決していく「青春スペシャリテ」です。

『ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)』七月隆文著(新潮文庫、630円=価格は1巻、税抜)

推理小説だけど読みやすい

私が好きなポイントは3つあります。

まずは、ストーリーです。私は推理小説があまり得意ではないのですが、この本はとても読みやすいと感じています。

舞台である自由が丘など、スイーツに関するおしゃれな場所がたくさん登場するので、読んでいると自分も旅をしているような気分に浸れます。時折見られる胸キュンシーンも必見です。

美しいスイーツの描写がすてき

次に、物語に絡む「スイーツ」です。本作は1冊に短いエピソードが複数収録されているという形式です。それぞれの小話にテーマとなるスイーツがあり、美しく繊細なスイーツの描写が食欲をそそります。

言葉からスイーツの様子を想像することができるのも、小説だからこその魅力だと思います。各エピソードの最後にはスイーツの解説があり、読めばスイーツの知識が深まります。

そして、私はいつも作中に登場したスイーツを食べます。食べたことのあるものでも、読後は新鮮な感覚になれます。こうして、1冊で何度も作品の世界観を味わうことができます。

アクセル全開の「食レポ」がおもしろい

さらに、私が毎回楽しみにしているのが、未羽の熱い食レポです。アクセル全開で紡がれるポエミーな表現がとても面白く、全体的に落ち着いた空気が流れる本作において、いいアクセントとなっています。ぜひ注目してみてください!

私はあまり小説が得意ではないのですが、このシリーズは大好きで、新作が出ると必ず買って読んでいます。小説を進んでは読まない人にもおすすめしたい作品です!(高校生記者・Haly=2年)