週刊少年ジャンプ(集英社)に連載されていた少年漫画「鬼滅の刃」(吾峠呼世晴著)。先日最終回を迎えましたが、単行本が累計発行部数6000万部を突破(5月7日時点)するなど、人気はとどまることをしりません。何が人々を引きつけるのか。「鬼滅ファン」だという高校生3人に集まってもらい、キャラクターやストーリーの魅力などをたっぷりと語ってもらいました。
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座談会参加者
Aさん(2年)
アニメを見た後にはまり、漫画も全巻揃えた。Pixivで二次創作もチェック中。好きな技は霹靂一閃神速(「強くなろうとする善逸の努力が垣間見れて大好き」とのこと)。
B君(3年)
アニメも漫画も制覇。YouTubeで伏線の解説動画を見たり、友達と話してたりしている。好きな技は火雷神(「早くアニメで見たい」とのこと)。身売りされた悲しい生い立ちで感情を失ってしまったカナヲが好き。
Cさん(1年)
Twitterのタイムラインや本屋の店頭で見かけていた。休校期間中にアニメを観て本格的にハマった。好きな技は霹靂一閃。
敵も味方も個性たっぷりなキャラばかり
―鬼滅のどんなところが好きですか?
C 敵・味方関係なく、個性がはっきり出ているところです。
B 全体的に親しみやすい&かっこいいキャラクターが多い気がします。他の漫画と比べてメインキャラクターとサブキャラの区別がないというか。
A 鬼殺隊(編集部注※主人公が所属する敵である鬼を滅ぼす剣士の部隊)も敵も、印象に残りますよね。
B キャラ全員が、それぞれ良い所を持ってるんですよね。
A みんな主人公でも成り立ちそうですよね。
C サブキャラを主体に描いたイラストも二次創作で多く見かけます。それでも魅力を失わない所が本当にすごいと思います…!
テンポよいストーリー展開 敵の心情まで細かく描写
―キャラに個性があると引きつけられてしまいますよね。
A キャラクター一人一人にスポットを当てる際、話がきれいにまとまっていますよ。全体的にも、他の漫画では巻数ほどかけてやりそうな内容をテンポよく展開していて、一話一話が濃いですよね。「はずれだな~」と思うエピソードがないというか。
C その分記憶にも残る上に、次も気になるんですよね。
A 話の流れも自然で、こじつけがない。
B 戦闘などのカッコいいシーンと、キャラたちが送る日常のゆるいシーン、両方魅力です!
C 善逸(編集部注※我妻善逸。主要キャラで主人公の仲間。ヘタレキャラだが眠ると力を発揮)のギャグシーンは好きで、何回も見てしまいます(笑)
A わかります! 全体的に緩急があって考えられてるなぁと思います。戦闘シーンの中にも笑える部分があるのは斬新だと思います
C 鬼の首を狩りますが、ただただグロいだけで終わらないから、続けて読んでも後味がそこまで悪くないのだと思います。
B 敵であるはずの鬼の過去が分かる回想シーンも、単純な「悪役」としてだけじゃない魅力がありますよね。鬼の描写が、ただ倒される対象にとどまらない。もとは人間だった鬼。それぞれに胸を打つストーリーがあるんですよ……。
C 鬼たちが幸せに生きた世界線考えたくなりますよね……。
B 鬼も昔は人間であり、悲しい過去を背負っている。単純な「人を食らう悪いやつ」ではなく、人間味があり、同情できちゃうんですよね。
A 猗窩座(編集部注※鬼の中でも強いキャラ)が特に好きです! 過去が重くて……。
B 人気ですよね、わかります!
A ボスキャラの無惨(編集部注※鬼舞辻無惨。鬼滅の世界での最大の敵)の「小物感」も好きです。
自分の味方である鬼を感情に任せて「(敵側の)鬼殺隊か」ってくらいに殺したり、ちょっとした発言ですぐにキレる。自分の生に貪欲で、自分良ければ全てよし…そんな小物要素がたっぷりですよね。
年が近いキャラが努力する姿が励みに
―キャラをしっかり掘り下げた描写がされているんですね。
C 個人的に、登場人物が刀を握るために努力するところが描かれているのがとても印象に残っています。自分も負けてられないと思うのですよ……!
B 努力する描写が多いですよね。
A メインキャラクターたちは、私たちと年齢が近いことも、この漫画が好きな理由だと思います!
C そういえば確かに…!
B 主人公、仲間、そして敵にも読者が共感できるのは、やっぱり鬼滅の刃ならではの魅力だと思います。
A フィクションでも、年が近い人が頑張っているのは励みになります!