虎姫高校(滋賀)新聞部は、文化部の全国大会にあたる「全国高校総合文化祭」の新聞部門で昨年、最優秀のうちの1校に選ばれるなど、強豪として知られている。日々どんな活動をしているのか教えてもらった。

みんなで紙面チェックし質を高める

本紙「虎姫高校新聞」は年8回発行している。「校正会」を設けて、みんなで記事内容を確認しあい、「こうしたほうがいい」など指摘をしあうことで、紙面の質を高めている。

全国トップレベルの紙面づくりを行う虎姫高校

一番ページ数が多いのは10月号で、夏休みから制作を開始。それぞれ興味のあるチームに分かれて、取材に行く体制を取っている。

専門家にもインタビュー

夏休み中には学校内外問わず、さまざまな場所に取材に行く。例えば、ゲーム好きの部員が、ゲームの研究者にインタビューしに行った。

ゲーム感覚で物事に取り組むと、普通に取り組むより活動に対する心理的なハードルが低くなることを伝えた。「前の話になりますが、ゲームをはじめとする歩きスマホが問題になりましたよね。ポケモンGOをしながら車を運転する人も現れ、一時期問題になりました。やっぱりゲームは敬遠されがちな時があったと思うのですが、ゲームは悪いことばかりじゃないということを、記事で伝えたんです」(高槻官汰君・2年)

そのほかにも、先生たちに教員目線で「働き方改革」について語ってもらうなど、社会問題に絡ませながら、その時に注目されているトピックを選んで、記事化している。

リラックスさせるトーク術でインタビュー

速報版の「にゅうとら!」は、年50回ほど発行している。昨年度から「ファイとら!」という企画も始めた。運動部、文化部の大会前に発行しており、「大会前に頑張る人たちを応援する」というコンセプトで制作している。

新聞部員は、取材相手から上手に話を聞きだすスキルが必要。記事の質の良し悪しは、インタビューする力にかかっている。高槻君は「取材先によっても対応は変えていますが、例えば高校生、同級生だったら、軽い雑談から入ります。最近どう?とか、部活頑張ってる?とか、そういう感じで相手の気持ちをリラックスさせるんです。それから本題にスムーズに入れるように筋道を立ててインタビューしていきます」と話す。

雑誌みたいに気楽に読んで

紙面づくりでこだわっているのは見やすさだ。「表をどう入れたら効果的になるのか、読者が見やすくなるのか」を常に意識しているという。

同校の本紙はA4サイズ。雑誌のように読んでもらえることをイメージしている「気楽に読んでもらいたいので、カラフルにしています。罫線を外してイラストを多用したり、ポップな雰囲気のコーナーにそぐうように工夫したりしています」(滝本結衣さん・2年)

(昨年8月の全国高校総合文化祭新聞部門で取材)