後藤夢介(むかい)君(埼玉・大宮光陵高校3年)は、第20回高校生国際美術展書道の部で、内閣総理大臣賞を受賞した。受賞作「臨 徐三庚 出師表(りん じょさんこう すいしのひょう)」をどのように作り上げたのかを聞いた。

常に目標を持ち、改善点を確認

――何を意識して書きましたか?

中国清朝末期の書家であり篆刻家でもある徐三庚という人物の古典を臨書しました。徐三庚の特徴を踏まえて文字の重心をそろえ、紙面全体がきれいに見えるように余白のバランスを整えることを心掛けました。

画数の多い文字が多く、線と線の間を均等にすることや、さまざまな字形のバランスを取ることに苦戦しました。また、徐三庚独特の線質では、細い線が弱くならないよう、鋭さとキレを出すように工夫しました。

――どうすればうまくなれますか?

作品を作る上で一番大切なのは、常に目標を持って制作することだと思います。枚数を重ねることはもちろん、書き上がった作品を鑑賞し、改善点を確認することも大事だと思います。私は毎回確認し、頭に入れ、忘れないようにノートに記録しています。