毎年約4000人が来場する東葛飾高校の「東葛祭」(9月1・7・8日開催)は、運営を含め生徒の力で作り上げている。アトラクションやカフェをメインとした飲食店、クラス演劇など、手の込んだクラス企画は6月から準備をはじめ、質が高い。一部を取材し、こだわりと工夫が詰まった本格的な出し物を紹介する。(文・写真 福元まりあ)

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教室の中でジェットコースター

3年H組は、教室の中で楽しめる本格的なジェットコースター「SPACE COASTER」を製作した。夏休みから準備して、物理を教える担任の先生と協力して設計を進めた。校舎改修工事を行っている業者に鉄パイプを提供してもらったという。「一日13時間以上、2日間設置の作業をしてとても大変でした」(野澤美遊さん、中島未有さん)

本格的なジェットコースターを製作

科学がモチーフのカフェ

1年F組は、科学をモチーフにしたカフェ「Café de Rika」を企画した。いちばんの人気メニューは、お菓子と飲み物をビーカーで混ぜて科学者気分を楽しめる「まぜまぜビーカー」だ。また、SNS映えする写真を撮影できるフォトブースにも力を入れた。黒板に書かれた数式は、数学が得意な生徒がインターネットで調べて書いたという。来場者はフォトブースで思い思いの小道具を持ち、写真を何枚も撮影していた。「1年生で初めてのことばかりです。戸惑うこともありましたが運営できています!」(藏田鈴さん)

科学者になりきって写真が撮れるフォトブースが人気

大人なカフェでおもてなし

3年F組は、バーをイメージしたカフェ「Atlanta」に挑戦した。ジャズ音楽が流れた大人の空間が実現されていた。最も力を入れた内装は、バーカウンター。それぞれの家庭からお酒の空き瓶を持ち寄って完成させたという。「3年生だから受験もあるけど、作業の分担をして効率よく準備を進めました。想像以上に完成度が高くなって雰囲気も出て、とてもうまくいったと思います」(大河内和哉君)

バーをイメージした大人な雰囲気のカフェ

コメディ劇を上演

3年E組は、あさのあつこ原作のコメディの劇を上演。会場となった生徒ホールには、たくさんの観客が集まるため、暑さ対策が大変だったという。「とても暑いので、オリジナルのうちわを外注して作って、お客さんに渡しました」(田中友也君)

青春コメディの劇を上演

手作り衣装のお化け屋敷

1年G組は、海賊をイメージしたお化け屋敷「ネクロポリス〜27年間の空白〜」を企画。「いちばんのこだわりは手作りの衣装です」衣装や小道具の準備は、裁縫や化粧の得意な生徒が率先して取り組んだ。とても完成度が高いと、来場者からも好評だった。(杉本七海さん、宮下侑也君)

本格的な傷メイクや衣装にこだわった

居酒屋風の食品販売

2年C組は、居酒屋をイメージした食品販売の企画で、ラムネなどのメニューが提供された。「手書きのエプロンや手作りの衣装で、居酒屋の雰囲気をさわやかに実現しました」大変だったこととして、教室内や廊下に飾った提灯を作ることを挙げた。「ひとつひとつ作るのはとても大変でしたが、居酒屋っぽい雰囲気になったと思います」(山本愛理さん)

手書きのエプロンでさわやかな居酒屋店員になりきる

アラビアなコーヒーカップ

2年H組は、アラビアの世界をイメージしたコーヒーカップ「coffee cup 〜逆白波瀬に乗って〜」を企画した。材料を集めるのに時間がかかり、20日ほどの準備の後、2日間かけて設置作業をした。組み立てに必要なサイズの木材が手に入らず苦戦したという。「少しずつ調整して補強しながら、なんとか完成させました」(磯部壮志君)。本格的なコーヒーカップの完成度に、たくさんの人が来場し好評だった。

アラビアをイメージした手動のコーヒーカップ

大正時代をイメージしたカフェ

3年C組は大正時代の和のイメージと、バーの成熟した雰囲気を融合させたカフェ「WA BAR」を運営した。シベリアやシューアイスなど、メニューにはレトロな食品が並んだ。装飾は、外壁を黒く塗った木の板で覆ったり、和傘や折り紙で装飾したりして工夫。また、蛍光灯にセロハンを被せ、照明が暖色になるようにしたのがポイントだという。(大滝心君)

大正時代とバーを融合させたレトロなカフェ

魔宮ツアーにご招待

2年A組は、魔宮ツアーをテーマにした探検アトラクション「TREASURE HUNTER 〜学力の泉を探せ!!〜」を企画した。夏休みから企画を練って、3日間で集中的に組み立て作業をした。内装と外装に力を入れ、担任の先生にアドバイスをもらいながら作業を進めたという。

魔宮ツアーをテーマにした探検アトラクション

おかしの家の雰囲気で

3年B組は、クッキーなどを販売するカフェ「おかしの家」を企画した。お菓子の家をイメージして内装を考えた。特に、スタッフがお菓子を渡すブースの飾り付けにこだわったという。「細部まで工夫して、お菓子の家のイメージを実現できるようにしました」(岡田宏太君)

お菓子の家をイメージして内装を工夫