洛西高校(京都)図書委員会

読書週間を前に、階段アート・スタ ンプラリー・ワークショップ(読書グ ッズ製作等)・ゲーム等々多彩な企画を準備中です。

よろこびの歌
宮下奈都著(実業之日本社文庫、533円)

◆歌で心通わせ成長

音大の付属高校の受験に失敗した、有名ヴァイオリニストの娘の玲。普通科に進み、周囲との関わりを避けて学校生活を送っていた。しかし、校内の合唱コンクールをきっかけに、玲の音楽に対する情熱があふれだす。思春期特有の悩みを抱える少女たちが、歌うことで心を通わせ成長していく姿は、同じ高校生の私たちに未来へ進む希望を与えてくれるだろう。 (P.N 808・2年)

 

そして、アリスはいなくなった
ひずき優著(集英社オレンジ文庫、550円)

◆ネットアイドルの正体は?

響子は学校のパソコンで、伝説のネットアイドル・アリスの未発表MVを見つける。新聞部の響子はアリスの正体について取材を進め、4人の男女にたどり着く。衝撃的なアリスの正体と突然の引退理由とは! 高校生たちの恋愛・友情が描かれ、4人の関係に目が離せない。インターネットの利用についても考えさせられる。 (P.N ナギサ・2年)

 

うたうとは小さないのちひろいあげ
村上しいこ著(講談社、1500円)

◆言葉の力に気づく

親友の裏切りによって引きこもってしまった綾美と、親友を裏切った後悔を感じ続けている桃子の物語だ。選ぶ言葉によって、伝わる内容も言葉に込めた思いの捉え方も変わると気づかせてくれる1冊だ。 (P.N AYA・1年)

 

ドッペルゲンガーの銃
倉知淳著(文藝春秋、2000円)

◆コミカルな推理小説

水折灯里はミステリの「女子高生作家」だ。灯里は、小説のネタを求めて(ちょっとぽんこつな)刑事の兄に「面白い事件」について聞いていた。そんな中で起こる3つの事件を解決しながら物語は展開していく。推理小説ではあるがコミカルな表現もあり、あまり推理小説を読まない人や苦手な人にもおすすめ。 (P.N カエデ・2年)

 

幕が上がる
平田オリザ著(講談社文庫、690円)

◆無限大の可能性

演劇部部長で演出も担当する高橋さおりが、県大会出場を目指して悩み、迷いながらも仲間と共に成長していく。何気ない高校生の日常生活や高校生特有の不安な気持ちが繊細に描かれ、まるで自分がそこにいるかのように時が進んでいく。 夢や目標に向かって、つまずきながらも一生懸命頑張るさおりたちの姿に感動する。無限の可能性を秘めているこれから先の未来、私たちはどう歩んでいくのか、それを考えさせる一冊だ。 (P.N NaNa・2年)

 

猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1
河野裕著(角川文庫、600円)

◆ある能力者たちの話

見聞きしたことを絶対に忘れない「記憶保持」の能力を持つ少年・浅井ケイと、世界を最大3日間巻き戻す能力「リセット」を持つ少女・春埼美空。能力者たちの街・咲良田で2人は力を合わせて過去をやりなおし、今を変えることで人々の抱える問題を解決していく。きれいな世界観と文章で引き込まれるし、読み進めるのも楽しみになる。7巻のシリーズになっている。(P.N サトシカ・2年)

 

スノーフレーク
大崎梢著(角川文庫、514円)

◆切なく心温まる物語

主人公は高校3年生の桜井真乃。高校卒業を控えた冬、真乃の前に6年前一家心中で亡くなった幼なじみの速人によく似た青年が現れた。速人の遺体は見つかっていなかったため、速人は生きているのではないかという希望を胸に、真乃は速人を探し始める。真乃と速人のもう一人の幼なじみ・亨も、真乃とともに速人の死について調べていく。(P.N F・1年)

 

ある晴れた夏の朝
小手鞠るい著(偕成社、1400円)

◆原爆投下をテーマに討論

アメリカの8人の高校生が、広島市・長崎市への原爆投下について肯定派と否定派に分かれて討論する話。それぞれのメンバーは日系、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系といろいろな人がいる。今の中高生なら一度は聞いたことがある「原爆」。いろいろなことを学べるため、たくさんの人に読んでほしい。(P.N いちご・1年)

 

セーラー服と機関銃
赤川次郎著(角川文庫、600円)

◆魅力的な主人公

この本の主人公は星泉という女子高生だ。父を亡くした彼女は目高組というヤクザの組長となる。そこから始まる彼女の「組長」としての活躍を読むと、おもしろかったり、カッコ良かったり、感動したりといろいろな感情が楽しめる。ぜひ読んでみてほしい。(P.N かめ・1年)

 

太秦荘ダイアリー
望月麻衣著(双葉文庫、620円)

◆京都が舞台のミステリ

京都市交通局が地下鉄やバスの利用促進を目的としたプロジェクト「地下鉄に乗るっ」の個性豊かなキャラクターである太秦萌・松賀咲・小野ミサが、消えてしまった記憶をたぐって10年前の事故の真相をつきとめる3人のつながりや心情が細かく描かれていておもしろい。私たち京都市民にとっては知っている場所が舞台であり、登場人物も京都弁で話しているのでとても親しみやすい。(P.N ミサキ・2年)