めきめきと棋力をつけている和田はなさん

和田はなさん(埼玉・細田学園高校3年)は、姉・あきさんが女流棋士(プロ)。「普段の生活から将棋がありました」と語るように、5歳から将棋を始め、小学校になると「学校のない日は道場で8時間対局していました」と語るほどのめり込んだ。

藤井聡太七段の対局を棋譜並べ

高校入学後も実力をめきめきと伸ばし、全国将棋新人大会で優勝、また今年度に入って開催された「女流王座戦」ではアマチュアながら女流棋士に勝利するなど急成長。夏の全国高校総合文化祭の将棋部門でも活躍に注目が集まる。

棋力向上を支えている練習法は、日々行われている公式戦などの対局を自らの手で再現する「棋譜並べ」、相手の王将を追い詰める手筋を考える「詰将棋」だと和田さんは語る。

特に棋譜並べでは、歴史に残る棋士や、現在大きく注目を集める藤井聡太七段といった偉大な先人から学ぶことが多いのだという。

「棋譜並べでは大山(康晴)先生や藤井先生といった方たちの対局を1日3局並べています。読みの深さは私とは比べ物にならないくらい凄いなと思ったり、『こういう駒の生かし方があるんだ』と学んでいます」

「勝つことが好き」

控え目で可憐な印象の和田さんだが「勝つことがすごく好きで、大人にも勝てることが楽しかったんです」と、将棋の競技性に魅力を感じたのだという。それは学校生活でも共通するようで「テストでは良い点を取ることだけを考えて臨んでいます」と、学業面でも高い集中力をもって勉強に励んでいるようだ。

(部活での様子)部活では多面指しと言われる対局もこなす

将来的には女流棋士を目指している和田さんは、海外生活の経験もあるため「英語が好きな科目です」とも言う。夢を聞くと、2つの大きな目標を掲げてくれた。「小さい頃の憧れだったのでタイトルを取りたいです。そして海外への将棋普及にも携わっていきたいです」