世界各国の高校生が国連加盟国の大使役になって、地球規模の問題の解決策を議論する「第13回高校模擬国連国際大会」が米国のニューヨークで5月10・11日に開催され、日本からの参加校のうち渋谷教育学園幕張高校(千葉)のペアが優秀賞に選ばれた。

大使になって交渉に挑む

国際大会への日本代表団の派遣支援事業を実施したユネスコ・アジア文化センター(ACCU)とグローバルクラスルーム日本委員会によると、大会には世界13カ国の約1500人が参加。参加者は割り当てられた国の大使として、国連機関を模した会議に参加し、国際問題について討議し、交渉を重ねる。自国の国益を確保しながら、国家間の利害の対立を乗り越えて合意する調整力が求められる。

日本代表として模擬国連国際大会に参加した8校の生徒(ユネスコ・アジア文化センター提供)

日本代表団は8校16人

昨年秋の全日本大会の成績により日本から派遣された8校の16人は、デンマーク大使役となり、学校ごとに「国際通貨基金」「世界銀行」といった異なる会議に参加した。

このうち、「国連総会第3委員会」にデンマーク大使として参加した渋谷教育学園幕張高校の荒竹(あらたけ)ゆりなさんと頓所凜花(とんしょ・りんか)さんの2人は、各会議場から3~5チーム程度選ばれる「優秀賞」に輝いた。

刺激を受け、勉強に

2人はACCUを通じ、次の感想を公表した。

荒竹さん「序盤はスピーチ力の差や日本と違う会議の進行に苦しみましたが、全日本大会で出会ったみんなや学校の部活の仲間の分まで一国の大使としての責任を果たすという意志を持って粘り強く交渉できたことが、かけがえのない経験となりました」

頓所さん「文化・人種・宗教・価値観の壁を超えて障がい者に対する国際的なアプローチという一つの目標に向けて議論を進め、議場全体が合意できる解決策を模索できたのは、実際の国連の会議に近いものであり、とても刺激を受けたし勉強になった」

日本代表団として参加した高校は次の通り。

浅野高校(神奈川)

麻布高校(東京)

海陽中等教育学校(愛知)

岐阜県立岐阜高校

渋谷教育学園幕張高校(千葉)

聖心女子学院高等科(東京)

桐蔭学園中等教育学校(神奈川)

灘高校(兵庫)