今年の一般入試の結果のうち、国公立大の系統別の志願動向の分析を駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長に聞いた。

国公立大の2019年度入試の系統別志願状況

国公立大の学部系統別の志願者数は、昨年と比べ大きな変動はなかったが、文系の系統の合計はやや増えた。

「人文科学」は昨年は減ったが、今年は増えた。「経済・経営」は、過去7年間で最多の志願者数だった昨年に次ぐ人数で、人気が続いているといえる。「国際関係」「外国語」は大幅に増えたが、これは一部の大学の改組や入試方式が影響しているという。

「教員養成・教育」は昨年より3%増えた。しかし、これまで減少が続いており、今年の増加も行政や企業への就職が多い京都大などが増えている一方で、教員養成系中心の大学は増えていない。石原さんは「中学校など教育現場の厳しい仕事の実態が受験生に伝わっていること」が影響しているとみる。

理系では、「理」「工」がほぼ前年度並み。「農・水産」はやや増えたが、福島大の学部(学群)新設のためで、これを除くと減っている。石原さんによると高校で生物を選択する人が減っていることも影響しているという。「医」(医学科)は5年連続で減った。「地域枠やAO・推薦の定員を増やす大学が多く、特に首都圏の受験生の受け皿が減っているためです」と石原さん。「保健衛生」も新設学部を除けば減っている。