今年の一般入試の結果のうち、難関国立大学の志願動向の分析を駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長に聞いた。

「難関国立10大学」の2019年度入試志願状況(駿台教育研究所の調査を基に高校生新聞が作成)

 駿台による難関国立10大学の分析では、大学全体で志願者が増えたのは北海道大と東京工業大のみだった(表参照)。東工大は今年から募集区分を類別から学院別に変更し、第3志望の学院まで選べるようにしたところ、前期の情報理工学院が倍率9.8倍の人気になった。東工大は今年から学費を約10万円値上げしたが、駿台教育研究所の石原さんによれば「志願者数には影響しなかった」という。

 一橋大は前年の92%に減った。社会学部が前年に増加した反動で78%に減ったことが大きい。東北大や大阪大が減ったのも、前年の増加の反動だという。

 難関国立大では、推薦入試やAO入試の導入や拡大に伴い、後期日程入試の取りやめや縮小をする大学が相次いでいる。東京大と大阪大は後期日程入試を実施していない。京都大も「特色入試」の導入により、後期日程入試は法学部をのぞき実施していない。名古屋大も後期は医学部医学科をのぞき実施していない。