2019年の一般入試の結果のうち、国公立大の分析を駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長に聞いた。今年はセンター試験の平均点上昇が志願動向に影響したという。

国立大志願倍率は4.21倍、公立大は6.33倍

国公立大全体では10万426人を募集したのに対し、46万9836人が志願した。志願倍率は4.68倍だった。

国公立大全体では志願者は8年ぶりに増加した。内訳をみると、国立大は7万8366人を募集したのに対し、志願者は33万153人で4.21倍。志願者が8年連続で減った。公立大は2万2060人を募集し志願者13万9683人で6.33倍。4年連続で増えている。国立大の前期日程では、難関大の志願者が減少傾向だった一方で、ほかの大学は増えていた。

出願を諦めなかった人が多く

国立大の一般入試の募集人数がやや減っており、公立大では増えているせいもあるが、石原さんによると、今年のセンター試験の予想平均点の上昇が受験生の出願に影響を与えたという。今年は英語のリスニングや国語などの平均点が昨年より上がり、国公立大志願者の5教科型の平均点も上がったとみられる。「地方や準難関レベルの国立大や公立大では出願を諦めなかった受験生が多く、志願者が増えた」という。公立大については、私立大と同じ3教科で受験できる入試方式が多いため、私立大の志願者の一部が公立大も志願者しているせいもある。

難関国立大受験者には「安全志向」も

一方で難関国立大の受験を考えていた層の一部には、「安全志向」がみられ、志願者が増えなかった。近年私立大が定員を厳格に守るよう国から求められており、難化している。このことも公立大志願者の増加や、難関国立大の出願をとどまった人が一定数いる背景にあるという。