全国の高校生が自作した鉄道ジオラマを競う「第8回全国高校鉄道模型コンテスト2016」(8月6・7日、東京ビッグサイト)の「HOゲージ車両部門」(6校が参加)で、最優秀賞に輝いたのは芝浦工業大学高校(東京)の鉄道研究部の2人だ。(文・写真 中田宗孝)
HOゲージ(実際の電車の約1/87の大きさ)は、海外の鉄道模型で主流の規格で、日本でポピュラーなNゲージより車体が大きい。芝浦工業大学高校の作品は「京急600形・京急新1000形」。製作したのは、古谷周(あまね)君(2年)と山田翔太君(1年)の先輩後輩ペア。昨年の第7回大会で同部門の優秀賞を受賞した古谷君が、山田君の腕の良さを見込んでHOゲージの製作に誘い、山田君の好きな京急電鉄の車両を6カ月かけて製作した。
古谷君は「京急600形」の製作に取り組みながら、HOゲージ初挑戦となる山田君に技術を教える、師弟コンビのような関係を築いた。「始めたばかりのころは、山田が担当した『京急新1000形』はとても大会に出せるレベルではなかった。それでもコツコツ頑張って技術力を上げた。自分の厳しい指導に付いてきてもらって感謝しています」と話した。山田君は「古谷先輩からのアドバイスのおかげで賞を取れました。来年はもっと良い出来の車両を作りたい」と新たな目標を掲げた。
HOゲージ車両部門の優秀賞は、大阪府立今宮工科高校鉄道研究部の作品「国鉄クモル145形」などが選ばれた。