三重(三重)剣道部男子は、今年の全国高校総体(インターハイ)男子団体ベスト8の成績を収めた。過去の最高成績はインターハイ、全国高校選抜大会ともにベスト4。先輩たち以上の成績を目指し、試合や練習中に自ら見つけた課題を克服するため、日々稽古に励んでいる。       (文・写真 木和田志乃)

地稽古

「普段から試合を意識」(奥野)し、それまで練習してきた技を試す。あっという間の4分間だが、新たな課題も見つかる

 

素振り

上下、正面、斜め、早素振りなどを約200回。竹刀が遠くまで届くように「軽く握って最後に強く締めることを意識」(与語)

 

基本稽古

自ら仕掛ける「仕掛け技」、技に対する「応じ技」、引きながら繰り出す「引き技」を各15分間。「苦手な技こそ積極的に」(嶌田)

 

素振りの後、面をつけて切り返しの稽古が始まる。切り返しとは、正面打ちと左右面打ちを組み合わせた稽古法だ。「ヤーッ」と気合のこもった掛け声と竹刀がぶつかり合う音が道場全体に響き渡る。「切り返しは剣道の動作が全部入っている。竹刀をしっかり振り込むことが大切」と、部長の嶌田瑞希(2年)は練習に力を入れる。

最初は100本2回、続いて50本2回、10本1回と本数は減っていくが、部員たちは後になるほど竹刀を速く強く振る。苦しい場面でこらえられるようになるという。

基本稽古で弱点克服

基本稽古は、2人一組になって技を出す側と受ける側になって技を練習する。相手はローテーションで変わる。部員によって「竹刀の使い方が一方向からだけになっているので、反対側からの技も磨く」(嶌田)、「面を打つ時に腰が(後ろに)残るので、体が先に出るように意識する」(奥野颯斗・2年)など課題が異なる。

技を出す側は受ける側にどのような練習をしたいか伝え、1本終わるごとに改善点を指摘し合う。途中、浜田義克監督は「技前の動き、足さばき、工夫しよう」と声を掛け、各自が目的に合った練習をしているか確認を促した。

課題を常に見つける

試合形式の練習、地稽古は公式戦に合わせて1回4分間行う。和太鼓の音を合図に相手を変え、休むことなく10回行った。奥野は「相手との駆け引きや技のバランスを常に考えている。今日は相手に技を出させて、隙を狙った」。与語浩人(2年)は「試合で通用する打ちや攻めを意識し、連続で技を出すことを心掛けた」

課題は、試合や練習の中で見つける。与語は足の開きを狭くするように矯正したところ「前にしっかり跳べるようになった」と実感している。嶌田は「自分で考えることが基本。やらされている稽古ではないので、部全体としても技術が向上している」と話す。

平日の練習

   15:50
体操
   16:00
素振り
   16:15
切り返し
   16:35
基本稽古(仕掛け技・応じ技・引き技)
   17:20
体当たり
   17:30
休憩
   17:45
地稽古
   18:30
追い込み
   18:40
切り返し
   18:50
終了
 
【TEAM DATA】
1956年創部。部員は男女計35人(3年生8人、2年生14人、1年生13人。男子24人、女子11人)。活動は、火曜から金曜の午後4時~7時。土日は大会や練習試合。インターハイと全国高校選抜の団体戦出場は、男子が33回、16回で、女子は8回、7回。OBに2012年の全日本選手権、09年、12年の世界選手権で優勝した木和田大起がいる。