団体決勝で大将戦を制し、大会の最優秀選手にも選ばれた藤原崇太郎(左)

 

第38回全国高校柔道選手権が3月19、20日、東京・日本武道館で行われた。5人制勝ち抜きの男子団体は、前回3位の日体荏原(東京)が決勝で、昨年高校3冠の国士舘(東京)を破り、悲願の初優勝に輝いた。チームワークでつかんだ栄冠だ。(文・小野哲史、写真・中村博之)=学年は開催時

初優勝をたぐり寄せたのは、個人戦81キロ級で連覇を遂げた大将の藤原崇太郎(2年)だった。自分より20キロ近く重い国士舘の大将・飯田健太郎(2年)から有効を奪い、最後までリードを守り切った。歓喜の後、藤原は、まず仲間への感謝を口にした。「準決勝までは、みんなが頑張ってくれて自分の出番はなかった。決勝では温存していた力を爆発させてやろうと思っていました」

4回戦までは百々雄弥や長井晃志(ともに2年)らが活躍。準決勝では先鋒(せんぽう)の大吉賢(2年)が4人抜き。決勝は、残り人数が少ない展開で、モンゴルからの留学生ハンガル・オドバートル(2年)が2人を下して藤原につないだ。「この大会に向けてスタミナ強化を図ってきたので、試合が続いても選手たちは簡単にバテなかった」と藤原は胸を張る。チーム全員が殊勲者だった。

国士舘への雪辱の思いは強かった。昨年の金鷲旗大会、全国高校総体(インターハイ)、今年1月の東京都予選と、これまで常に国士舘が立ちはだかってきた。「今回こそはリベンジし、絶対に優勝する」。それが選手たちの共通の意識だったという。藤原は「日体大の学生と練習する時も、国士舘のことをイメージしながら強気で取り組んできました」と振り返った。

TEAM DATA1960年創部。部員30人(3年生11人、2年生9人、1年生10人)=4月時点。全国高校柔道選手権はこれまで3位が最高。2015年インターハイ団体準優勝。日本トップレベルの選手を擁する日本体育大学との合同練習で心技体を鍛える。

初優勝に輝いた日体荏原