東海大学健康学部の西垣景太先生に、正しいウオーキングやジョギングのやり方を教えてもらった。第2回は、事前に行うストレッチングについて紹介する。(構成・写真 小野哲史)

体を温めて動きやすく

動く前にはストレッチングを行いましょう。ストレッチングを行うことで、体が温まって筋肉が動きやすい状態に準備できます。やり方はウオーキング前とジョギング前とで大きく変わりません。ただし、ジョギングの方がウオーキングより体への負荷が強くなるので、ジョギング前、そして走る速さが速くなればなるほど、けがのリスクを抑えるためにも、ウオーミングアップとしてのストレッチングが重要になります。

ウオーキングやジョギングを行う前は、動きをともなった動的ストレッチングが効果的です。より短い時間で体が温まるからです。部位としては、以下のような順番で、特に肩回りや肩甲骨、下半身の股関節、膝回り、足首はより重点的に行います。

①肩と体側

両手を組んで上にまっすぐ伸ばし、左右にゆっくり倒しましょう。

 

②肩甲骨

両手を肩に置き、ひじをぐるぐると回しましょう。

 

③体幹(ひねり・前後屈)

腰に手を置き、円を書くように回しましょう。また、前屈・後屈をしましょう。

 
 

④股関節(四股・スイング・回旋)

両足を左右に大きく開いて、肩を内側に入れることで股関節を伸ばしましょう。また、片手を壁について片方の足をスイングさせたり、片足を持ち上げて地面につけずに、体の前で円を描くように回したりしましょう。

 
 

⑤ふくらはぎ

両足を前後に開き、片ひざに重心をかけて、後ろ足のふくらはぎを気持ちよく伸ばしましょう。

 

⑥屈伸

ひざの曲げ伸ばしをしましょう。

 

⑦足首(片足バランス)

片足のつま先を手で持ち、転ばないようにバランスをとりましょう。

 

⑧かるくジャンプ

つま先と膝を前方に向けて、10回から20回程度ジャンプをしましょう。

 

体の上からやってみよう

普段、あまり運動をしていない人は、頭の位置が変わるような動きから急に始めるのではなく、身体の上部から下部に向けてゆっくりと行っていくのがいいでしょう。手順を覚えやすいというメリットもあります。

ストレッチングは2分間くらいでも体は温まっていきますが、気温が低いときはさらに時間をかけたり量を多くしたりして、より入念に行うようにしてください。

にしがき・けいた 1981年、東京都生まれ。専門は運動心理学。現在は「運動経験と情動知能」や「幼少期の運動経験」に関する研究を行っている。