お茶の水女子大学が2020年度から「トランスジェンダー」の学生を受け入れることを発表した。トランスジェンダーとは、戸籍に記載された性別とは異なる性別と感じている人をいう。

 このニュースにとても驚いた。私自身、女子校に通って今年で6年目になる。もし、「自
分の学校がトランスジェンダーの受け入れを始めたら……」と考えてみてもあまり想像が
つかない。

 一方で以前、学校でLGBTについて発表する機会があった。他の学年が発表を見に来て、意見を匿名で交換するという形式だった。発表を終えて、意見が書かれた紙を見ていると、「実は私はLGBTです」というカミングアウトと同時に「興味を持ってくれたことに感謝している」というメッセージがあった。匿名だったが、勇気を出して伝えてくれたうれしさがあり、調べてよかったと心から思えた。

歩み寄る姿勢が大事

お茶の水女子大学学長が会見で発表していた通り、これから国際社会で大切なことは、固定的な性別意識にとらわれず、一人の人間として、個性・能力を十分に発揮できる場をつくり上げること。単なる女性進出ではなく、「多様な女性が」あらゆる分野に参画できる社会の実現なのではないだろうか。

そして、差別や偏見は、それが故意でなくても、気づかないうちに相手を傷つけてしまっているかもしれない。勇気を出してカミングアウトしてくれた方々を受け入れて、双方歩み寄ることが、女性だけでなく男性にとっても暮らしやすい社会につながると思う。
(高校生記者・浦田夏明(3年))