リレーを含めた4種目で五輪代表を決めた

リオ五輪競泳代表に高校生4人

ブラジル・リオデジャネイロ五輪(8月)代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権が4月に開かれ、4人の女子高校生が一発勝負のプレッシャーをはねのけて代表入りを決めた。4年に1度の世界最高峰の舞台に挑む高校生スイマー4人の素顔とは。
(文・田坂友暁、写真・中村博之)

サラブレッド世界へ

淑徳巣鴨(東京)からは、池江璃花子(1年)と長谷川涼香(2年)が出場する。

日本選手権2日目、100メートルバタフライ決勝を57秒71で制し、高校生五輪代表第1号となった池江は、うれしさから大粒の涙を流した。このレースの約40分前には200メートル自由形準決勝に出場していたため「体力的な不安があった」と言うが、見事に乗り越えてみせた。

池江は、大切な試合の前には必ずイメージトレーニングを行う。「(レース前に選手が集まる)招集所から始めて、入場して泳いでゴールタッチして、最後の優勝インタビューまでイメージしています」

順位が落ちたり、全く違うことをイメージしてしまったりしたときはやり直し。小さいころから繰り返してきたことで、寝る直前に自然と頭の中にイメージが湧くほど習慣化している。

100メートルバタフライの準決勝で57秒55の日本新記録を樹立した池江璃花子

記録もっと伸ばせる

「代表には年の近い選手も多くて、みんな仲が良いので合宿も楽しいです。五輪まではまだ4カ月もあるので、十分に記録を伸ばせる可能性はあると思っています」

五輪にはリレーを含めた4種目に出場予定。ロンドン五輪で高校生メダリストとなり、その後、世界に羽ばたいた萩野公介(東洋大)は池江の泳ぎを見て、水の捉え方のうまさを絶賛。「手足も長いし、サラブレッドみたいですよね」と感嘆するほどだ。池江は、その才能を五輪という最高峰の大会で、開花させることができるのか。いやが上にも期待は高まる。

いけえ・りかこ 2000年7月4日生まれ、東京都出身。小岩四中卒。ルネサンス亀戸所属。水泳を始めたのは3歳。15年カザン世界水泳代表。50メートル、100メートル自由形、100メートルバタフライ日本記録保持者。リオ五輪には100メートルバタフライと400メートル、800メートルリレー、400メートルメドレーリレーに出場予定。170センチ、55キロ。