8月7日から5日間、高校生による芸術文化の祭典「第42回全国高校総合文化祭(2018信州総文祭)」が文化庁や全国高校文化連盟、長野県などの主催で行われる。全国から約2万人が参加予定で、25部門が開かれる。そのうち演劇部門に参加する栃木高校演劇部に意気込みを聞いた。(中田宗孝)

谷田部君は、素の自分が役に投影されたインド哲学好きの生徒を演じる

11年ぶり2回目の出場となる栃木高校(栃木)演劇部。演目は、顧問の先生と生徒の共作「卒業」だ。

卒業式前日、進路相談室に集められた4人の男子生徒を中心に繰り広げられる会話劇で、部長の谷田部真仁君(3年)は「とにかく笑えて、ちょっぴり泣ける。特に決闘のシーンは必見」と、見どころを話す。

会話のテンポを意識

昨年から週5日で稽古を重ねてきた。劇中では登場人物らの会話の妙が肝心だ。「テンポが悪くならないように意識しています」。普段は学年の垣根がない、居心地のいい雰囲気。部活後、14人の部員たちは練習場にとどまり、名残惜しさから雑談に興じてしまうほどだ。「一見、無駄でしかない雑談。ただ、この時間が部員の結束を固め、作品がより良くなるんです」と笑う。