2018年度の私立大学の入試結果の分析を駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長に聞いた。私立大学入試は、志願者が12年連続で増える一方で、各大学は合格者を絞り込む傾向にある。来年度入試を受ける高校3年生はもちろん、1・2年生も最新情報をおさえておこう。(西健太郎)
私立大は一般選抜の志願者が12年連続で増えた。駿台教育研究所は延べ志願者数を約365万人と推計する。入試方式別にみると一般方式が約6%、センター利用方式が約10%増えているという。
受験生は併願校数を増やす
なぜ志願者が増えているのか。駿台の石原さんがまず挙げるのが「私立大の定員管理の厳格化」だ。国は入学定員を超過して学生を入学させる大学に対して補助金減額などのペナルティーを年々厳しくしている。「私立大は17年度入試で合格者数を絞り込み、浪人生が増えました。18年度はさらに厳しい入試になるという不安から、受験生が併願校数を増やしています」
複数の学部・学科や受験方式を併願する際に受験料を割り引く制度を大学が拡大していることや、併願を促すインターネット出願のしくみも、志願者増に影響しているという。私立大は文系の定員が中心であることも要因だ。
人気の大学は?
主要私立22大学志願状況をみると、大半の大学の志願者数が前年より増えている。中でも大きく増やしたのが、東洋大学、中央大学、近畿大学、立教大学などだ。東洋大や近畿大は募集や入試の方式の変更に加え、立地も人気の要因とみられる。「就職活動のことを考えてアクセスの良い場所の大学を選ぶ受験生もいます」(石原さん)。立教大は、英語外部試験の利用が可能になったセンター利用入試で志願者が大きく増えたという。