川越女子高校英語劇部は、年2回(4、11月)の自主公演に向けた稽古に励む。作品選びから配役、演出、英語の台本、歌唱指導、ダンスの振り付け、音楽や衣装制作に至るまで、部員たちで劇を作り上げている。(文・写真 中田宗孝)
まず日本語で役作り
昨年は「High School Musical(ハイスクール・ミュージカル)」「The Bells of Notre Dame(ノートルダムの鐘)」を全編英語のせりふでミュージカル化。今年4月の自主公演では、ディズニー作品に登場するヴィランズ(悪者たち)の子どもたちが巻き起こす大騒動を描いた青春群像ミュージカル「Descendants(ディセンダント)」を上演した。
1月から本番に向けての本格的な稽古が始まった。キャストは、まず日本語のせりふで演じながら劇を作っていく。「演じる役のシーンごとの感情、共演者とのやりとりを通して、自分の演技を固めるのが先。自分の動きを体に染み込ませてから英語のせりふを覚えると、難しい英単語や英文も頭に入ってきやすいんです」(部長の河合亜築さん・3年)
「Descendants」で河合さんは、「ふしぎの国のアリス」に登場するトランプのハートの女王の娘役を熱演した。「Be quiet, and please help me to look for a beautiful rose which suits me.(静かにして。それより私に似合う美しいバラを探すのを手伝ってよ)」と、周囲を天真らんまんに振り回すせりふがお気に入りだ。
世界観伝わる演出を工夫
演出面では、英語のせりふが分からなくてもキャストの動きと舞台の雰囲気で客が物語を理解できるよう工夫した。「キャラクターが魔法を使うシーンは、効果音とカラフルな照明を駆使して、ファンタジーの世界を表現しました」(演出の佐久間南緒さん・3年)
春公演をもって3年生は引退。河合さんは「入部当初の自信を持てなかった性格が変わった」と、英語劇に挑戦した約2年間を振り返った。「恥ずかしがりの殻を破れました。仲間たちと舞台に立つことで世界が広がり、新しい自分を見つけられたんです」
- 部活データ
- 1989年創部。部員37人(3年生10人、2年生12人、1年生15人)。活動は週6日。年2回の定期自主公演のほか、文化祭や卒業式などで公演を行う。