大学選びで何より大事なのは、自分が何を学びたいかを見極め、それができる大学・学部を探すことだが、同時に入試の傾向を知ったうえで、実力を伸ばすことも大切だ。2018年度入試結果の分析を駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長と、河合塾教育情報部の富沢弘和部長に聞いた。来年度入試を受ける高校3年生はもちろん、1・2年生も最新情報をおさえておこう。 (西健太郎)

河合塾の推計によると、今年の大学入試センター試験の7科目型の平均点は文系(552点)・理系(560点)とも昨年並みで、難易度は変わらなかった。ただ、英語のリスニング(聞きとり)が過去最低の平均点だったことや、国語が昨年に続いて難しかったことから得点率8割以上の層が少し減ったという。難関大の志願者は増えていることから「今年の受験生が果敢に挑戦している様子がうかがえる」とみている。

新入試意識した出題も

文部科学省と大学入試センターが進める2020年度からの新大学入試では、複数の情報を
基に判断する力や、知識を社会や生活の中で役立てる視点が重視されている。富沢さんは、今年のセンター試験でも新大学入試を意識した出題があると指摘する。「現代文の問題文中に写真が示されていたり、設問文の中で生徒同士の会話が含まれていたりします。英語でも、いろいろな情報を読み込んで解答させる出題がありました」

大学入試改革については「暗記だけの勉強ではなく、考える過程が問われます。ふだんの勉強から『どうしてこういうことが起きるのか』を考えることが大事です」と話す。