第40回全国高校柔道選手権が3月20、21の両日、日本武道館(東京)で行われ、個人戦の女子無差別では高橋瑠璃(東京・帝京2年)が初優勝を果たした。すでにシニアの舞台で活躍する前回王者・素根輝(福岡・南筑2年)が不在だったが、高橋は「自分ができることを全部やろう」と目の前の戦いだけに集中し、栄光をつかんだ。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)=学年は大会時
立ち技からの寝技を意識
前回大会の団体戦は、1年生だけのメンバーで8強入り。高橋自身も大将として3戦全勝と奮闘したが、4強を逃した悔しさのあまり「準決勝と決勝は2階席でずっと泣きながら観戦していた」という。
あれから1年、全国高校総体(インターハイ)などで実績を積みながら、高橋は今大会に向けて「立ち技から寝技に移行する部分を意識して練習してきた」。その言葉通り、個人戦は決勝までの5試合中、3試合は寝技による一本勝ち。3回戦の八巻衣音(広島・
広陵1年)戦は「合宿で何度も一緒に稽古している相手。普段から仲も良いのでやりにくかった」(高橋)。延長にもつれ込む接戦となったが、しっかりと技ありのポイントを奪って勝利をたぐり寄せた。
プレッシャー「全然なかった」
素根がいない中で注目されたが、「プレッシャーは全然なかった」という。「自分の攻めるスタイルだけは変えずに頑張ろうと。それを最後までやり切れたことは良かった」
自身の信念を貫き、初めて手にしたビッグタイトルだった。「インターハイや全日本ジュニアに向けて、今から少しでもレベルアップして、悔いのないような高校最後の1年間を過ごしたい」
- 【たかはし・るり】
- 2000年7月13日生まれ、東京都出身。東京・帝京中卒。15年全国中学校大会70㌔超級準優勝、16年ドイツカデ国際優勝。全日本C強化選手。体格を生かした寝技を得意とする。身長165㌢、体重105㌔。