第2回 上半身 肩や首の凝りを軽減

胸、背中、肩の部位ごとに上半身を鍛えるトレーニング方法を紹介します。

猫背気味の人は、特に胸や背中を鍛えることで姿勢が良くなり、肩や首の凝りの解消に役立ちます。理想的なボディーラインに近づく効果も期待できます。

筋トレは、朝でも夜でもどの時間帯に行っても構いませんが、食事直後は消化不良を起こす心配があるので、なるべく避けましょう。学校の休み時間に1種目だけ行うなど、「すきま時間」を見つけて取り入れてみてください。朝は胸、昼は背中、夜は肩と分けて行うのもOKです。(構成・小野哲史)

【胸】手合わせ左右ムーブ

 

両手を合わせて互いに押し合いながら、その手を左右に移動する。一方向の動作は3秒間で。手の移動中に息を吐き、切り返す局面で息を吸う。胸の筋肉の内側部分も鍛えることができ、手を移動させず、真ん中で押し合うだけでも効果がある。

【背中】ラットプルダウン

 

タオルを肩幅よりやや広めに持ち、左右に引っ張りながら頭上に掲げた姿勢からスタート。そこから首の後ろまで移動させる。下ろす動作、上げる動作ともに3秒の一定速度で行う。呼吸は、下ろす時に吸い、上げる時に吐く。広背筋が刺激される。

 

背中が丸まってしまうと、背中の筋肉を使いにくくなる。

【肩】手合わせ上下ムーブ

 

手をクロスさせて両手の甲をつけ、押し合いながら、その手を上下に移動させる。一方向の動作を3秒で行うことで、肩の筋肉を重点的に鍛えることができる。タオルなどを幅の狭い状態で持っても同じ効果がある。

 

顎を上げ、胸を反らせてしまうと、肩が刺激されにくく、腰や背中を痛める可能性がある。

動画でチェックしよう

 

東海大学スポーツ医科学研究所教授 有賀誠司先生

【あるが・せいじ】
 
1962年、東京都生まれ。東海大学スポーツ医科学研究所教授。筋力トレーニングに関する研究を行うとともに、多くのアスリートのトレーニング指導に携わる。著書に「基礎から学ぶ!筋力トレーニング」(ベースボールマガジン社)など多数。