全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第9回全国高校鉄道模型コンテスト2017」(8月5・6日、東京ビッグサイト)が開催され、「一畳レイアウト部門」(11校が参加)では、東京・東京電機大学中学高校鉄道研究部が優秀賞を受賞した。(文・写真 中田宗孝)

約1年掛かりで制作班長の加古君(右)を中心に作品を完成させた

 

富士急行が見せる雪景色を表現 雪の色にこだわり

優秀賞となった東京・東京電機大学中学高校鉄道研究部の作品「Tradition✕Innovation~from 2899 to 3776~」は、富士急行線の大月駅から富士山駅までの冬景色を畳一畳の広さに再現した。。作品名の数字「2899」は昨年制作した小海線から見える八ヶ岳の標高で、「3776」は今年制作の富士急行線から望める富士山の標高を指す。「土が見えるちょっと汚れた雪表現にもこだわりました。白色パウダーや重曹など数種の素材を混ぜた雪は、単純な真っ白ではないんです」(加古貴志君・高校1年)。

レイアウト内の電車を走らせる体験運転もでき、来場した子供たちから人気を博した 
 

リニアモーターカーを運行 後輩の意見を採用

中高生部員10人による制作チームの班長を務めた加古君は、「いい意味で先輩後輩の垣根がないチームで、中学生部員でも積極的にアイデアを出せる雰囲気」と話す。作品の中央に配置した山梨リニア実験線は、当初の計画では展示するだけの予定だったが、中学生部員の意見が採用されて鉄道を運行できるようにした。

リニアモーターカーが走行する小形山架道橋や橋の下の中央自動車道もしっかり作り込み、多くの来場者の注目を集めたという。

訂正:山梨リニア実験線を誤って表記していたのを訂正いたしました。(2017.9.13)