初の全国高校選抜ラグビー大会で果敢に攻め続けた中野将伍

3月30日から4月7日にかけて熊谷ラグビー場(埼玉)で行われた全国高校選抜ラグビー大会で、最も注目された選手は東筑(福岡)のCTB(センター)、中野将伍(3年)だ。17歳でU20代表に名を連ねる逸材は、全国大会の初戦で2トライを挙げた。(文・写真 斉藤健仁)

3月にU20代表入り

身長188センチ、体重96キロの体つきは、初出場となる全国の舞台でも際立って見えた。屈強な選手が多いFWのような体格ながら、小柄な選手のように柔らかなパスと豪快なランでチームをけん引。14─14と引き分けた予選リーグ初戦の深谷(埼玉)戦で2トライを挙げ、華々しい全国大会デビューを飾った。

昨夏は中国・南京で行われたユース五輪に7人制ラグビーの代表として出場。将来を嘱望される逸材は、今年3月には、U20代表(15人制)の一員としてフィジー遠征にも参加した。同校OBでU20日本代表監督の中竹竜二氏は「体は未完成でプレーも荒削りですが、潜在能力は高い」と話す。

東筑は石巻工(宮城)を57─0で破ったが、東海大仰星(大阪)との一戦は0─61で完敗。決勝トーナメント進出を逃した。

中野は東海大仰星戦で徹底マークに遭い、思うようなプレーができなかった。「相手のディフェンスが多くいる所を攻めてしまった。もっとスペースのある所を攻めなければならなかったのに」と肩を落とした。

「花園」目指す

東筑の副キャプテンを務める中野は、組織的な守備やコミュニケーションの重要性など、U20代表で得た経験と知識をチームに還元していくつもりでいる。最終学年の今年度は「ディフェンスでもアタックでも仕掛ける」チームを引っ張り、1999年度以来の全国高校ラグビー大会(花園)への出場を目指す。

なかの・しょうご 1997年6月11日生まれ、福岡県出身。3歳からラグビーボールに親しみ、鞘ヶ谷ラグビースクールに入って本格的に競技を始める。U17日本代表、ユース五輪7人制代表、U20日本代表。ラグビー・トップリーグの神戸製鋼でプレーする兄・裕太も東筑OB。

 

東筑ラグビー部
1937年創部。3年生11人、2年生10人、1年生は10人程度入部予定(4月時点)。1988年度、98年度、99年度に全国高校ラグビー大会に出場。今年、初めて選抜大会に出場した。