8月にアイルランドで開かれた女子ラグビーワールドカップ(W杯)に、日本代表唯一の高校生、津久井萌(群馬・東農大二3年)が出場した。17歳4カ月でのラグビーW杯出場は、男女通じて史上最年少。5試合全てに先発し、大会のポジション別MVPにあたる「ベストフィフティーン」にも選ばれた。
152センチ、攻守に活躍
津久井は、5歳から兄の影響でラグビーを始めた。強豪で知られる東農大二に進学した後も、普段から男子と一緒に練習し、高校2年時にはニュージーランド留学を経験。スキルや判断力を磨いた。
大会出場選手の中で一番低い身長152センチ。ポジションは、ゲームをコントロールするスクラムハーフだ。
4大会ぶりの出場となった日本は1勝4敗、12チーム中11位と苦戦したが、津久井は素早いボールさばきとキックで攻撃をリード。守っては、低いタックルで相手の攻撃の芽を摘んだ。
ベストフィフティーンに選出
大会終了後、その活躍が認められ、日本代表からただ一人、ベストフィフティーンに選出された。他の14人が、優勝したニュージーランドなど5位以上の強豪から選ばれたことを考えると、いかに快挙だったか分かる。「本当にビックリしました! チームメートから『おめでとう』と言われました」(津久井)
ただ、視線はすでに4年後のW杯に向いている。「強豪はチャンスで(得点を)取りきれるが、日本は取りきれなかった。個人的な部分を伸ばして、もっとチームに勢いを与えられるようになりたい」と大きな瞳を輝かせる。(文・写真 斉藤健仁)