MVPに選ばれた古賀由教(左=斉藤健仁撮影)

第3回全国高校7人制ラグビー大会(アシックスカップ2016)が7月16日から18日まで、東京・江東区夢の島競技場などで行われた。18日の決勝では東福岡(福岡)が鍛え上げてきたディフェンス力を発揮して伏見工・京都工学院(京都)を19-15で破り、2年ぶり2度目の栄冠に輝いた。(文・写真 斉藤健仁)

一昨年の同大会で優勝し、今年春の全国高校選抜大会も制した「ヒガシ」こと東福岡は、今大会も優勝候補筆頭だった。出場48チームを3チームずつに分けた予選プールから圧倒的な強さをみせ、予選1位チームによるカップトーナメントに臨んだ。

ハードな日程、疲労残さない作戦

チーム力の勝利だった。1カ月ほど前から100人を超える部員の中から今大会のために25人ほどを選抜し、3チームでディフェンスを中心に試合形式の練習を繰り返した。

その25人から、さらに15人を選抜して大会に臨んだ。大会は30度を超える暑さと湿気の中、3日間で6試合を行うハードスケジュールのため、予選プールから登録メンバー15人をフルに使う作戦をとった。「上手く15人を出して、最終日まで疲労が残らないようにやりました」(稗田新コーチ)

勝利呼んだ古賀のタックル

その作戦があたり、好ランナーが揃う伏見工・京都工学院との決勝では、「疲れはなかった」という古賀由教(3年)が、相手のトライを防ぐタックルを2度見せて、さらに自らトライも挙げて勝利に大きく貢献した。勝因を聞かれた稗田コーチは「古賀のタックルでしょうか。非常に良かった」と称えた通り、古賀は決勝トーナメントのMVPにも選出された。

高校「3冠」狙う

春の選抜、そして夏の7人制大会と「2冠」を制したヒガシ。もちろん、狙うは「花園」こと冬の全国高校ラグビー大会を優勝しての今年度の高校「3冠」である。キャプテンの箸本龍雅(3年)は「(花園まで)あと半年くらいあるのでウエイトトレーニングをして、フィットネスを上げて、さらに強くなっていきたい」と先を見据えた。

なお、予選2位グループによるプレートトーナメントは桐蔭学園(神奈川)が、3位グループによるボウルトーナメントは常翔学園(大阪)が優勝した。

全国高校7人制ラグビー大会を制した東福岡(斉藤健仁撮影)
【TEAM DATA】
1955年の学校開校と共にラグビー部も創部。全国高校ラグビー大会優勝5回、全国高校ラグビー選抜大会優勝5回。日本代表WTBの藤田慶和選手らを輩出。

7人制ラグビー(セブンズ)】7人対7人で、7分ハーフで行うが、ルールは15人制ラグビーとほとんど同じ。ただ広いスペースを少ない人数でプレーするため、パスやランの機会が多くトライシーンが増えるのが特徴だ。リオデジャネイロ五輪から男女とも正式種目となり、2020年の東京五輪でも開催が決まっている。