3歳から始めたスキーのモーグル競技の腕前は全国レベル。小学6年からクラシックバレエも習う石井沙知さん(京都・西舞鶴高校1年)が、今度は将棋でも新たな才能を開花させた。(文・写真 木和田志乃)

父の指導でスキーを始め、現在はモーグル競技の選手として活躍中だ。3月には昨年に続き、全日本選手権に出場する。

バレエのレッスンと重ならないよう、高校の部活は活動日の少ない囲碁将棋部に入った。ところが、「何事にも熱心に打ち込んでしまう」性格のため、次第に将棋への興味を深めることに。

本格的に将棋を習った経験はなかった。顧問の古川博也先生からもらったアドバイスをノートに書き込み、駒の動かし方を写真に撮って覚えた。少ない練習時間を補うために、通学電車の中ではひたすら詰め将棋の問題を解き続けた。古川先生は「素直で真面目。言われたことは何でも吸収しようとする」と話す。

次第に腕を上げ、将棋を始めて4カ月後の昨年8月には、全国高校選手権大会に出場した。現在は、「負けても失敗を次の試合で生かせる。勝つとやっぱり楽しい」と将棋の面白さにはまっている。1月31日から2月2日までは、福岡で行われた全国高校文化連盟将棋新人大会に出場した。

モーグルと将棋は全く異なるが、常に「諦めない」姿勢で臨むことは共通している。将棋でも逆転勝ちが多い。何事も頑張ってしまうため、時には「疲れることもある」という。「無理をせず、しばらくは将棋とモーグル、そしてバレエを楽しみたい」と語る。