3月30日から4月7日まで、埼玉・熊谷ラグビー場で第14回全国高校選抜ラグビー大会が開催された。京都からは桂が初出場を果たし、予選リーグで九州大会2位の長崎南山(長崎)と接戦を演じるなど、持ち前のパスラグビーを武器に奮闘した。(文・写真 斉藤健仁)

京都は、全国高校ラグビー大会(花園)で4度の優勝を誇る伏見工や京都成章といった強豪がそろう。その中でもまれた桂は、選抜予選で強豪に惜敗したチームから選ばれる実行委員会推薦枠で出場した。創部60年にして初の全国舞台となった。

以前は部員が15人に満たず、他校と合同チームを組んで試合に出場することもあった。杉本修尋監督(52)は、就任した11年前から着実に強化を進めてきた。「高校から始める部員も多い。ラグビーを楽しむよう指導しています。厳しい練習をすると辞めてしまうので」

練習時間の多くを、ボールを使った試合形式の練習に割く。アタックとディフェンスを磨き、部の特徴である「ボールをつなぐラグビー」を支えるパス練習にも重点を置く。小鉢竜太郎主将(3年)=京都・洛南中出身=は「短いパスや長いパスなど、いろいろなパスを投げられるようになった」と話す。全国大会に出場するに当たっては、相手との接点での攻防やタックルなどを磨くために、大学への出稽古も繰り返した。

大会では、4チームで争う予選リーグで1勝したが、目標の決勝トーナメントには出場できなかった。杉本頼亮(3年)=同中出身=は「ゲームをうまくコントロールできなかった」と悔しさをあらわにした。

部員たちは「この経験を糧に、花園を目指す」と口をそろえて熊谷を後にした。

【TEAM DATA】
1953 年創部。部員は32 人(3 年17 人、2 年15 人=取材時)。全国高校大会府予選で、公立校ながら4年連続準決勝に進出している。OB には、お笑い芸人の小杉竜一(ブラックマヨネーズ)がいる。部のモットーは「楽しむ」。