市川高校スキー部は、創部30年以上の歴史を持つ。現在、部員は13人。千葉の高校スキー界を引っ張る存在だ。雪上で練習できる期間はそう長くないが、夏場の地道な鍛錬で、レベルアップを図る。 (文・写真 小野哲史)

普段の練習は陸上トレーニングが中心だ。佐々木文彦監督は「筋力トレーニングで体力アップを図り、スキーの感覚を養うためにインラインスケートを使っている」と説明する。 シーズン以外で滑れるのは、万年雪のある立山(富山)での夏合宿だけ。そこでの練習は過酷を極めるという。入山卓斗君(2年)は「リフトが動いていないので、滑った後はスキーを担いでコースを登ります。それをひたすら繰り返すことで、体力はもちろん、すぐにはくじけない精神力がつきます」と言う。

12月にシーズンインしてからは土日や約1週間の合宿で集中的に滑り、1月の試合期を迎える。

雪国の高校に比べれば、練習環境のハンディは大きい。それでも2月の北海道インターハイには、県大会を突破し入山君がアルペン2種目で、主将の酒井啓太君(2年)が回転で出場を果たした。ただ、全国の舞台では「急斜面のコースにビビってしまった」(酒井君)こともあり、思い切った滑りができなかった。アルペンスキーでは、攻めの滑りなくして好タイムは望めない。それをしっかりと胸に刻み、来年のインターハイを目指す。