受賞理由
科学研究部に所属し、研究に地道に取り組み、エチレンがカイワレダイコンの子葉に及ぼす影響についてまとめ、JSEC2014で審査委員奨励賞、IntelISEF2015で米国園芸学会賞3等、全国総文祭滋賀大会自然科学部門では口頭発表(生物)部門で優秀賞を受賞した。研究内容、発表ともに素晴らしく、後輩への良き手本となることができた。
エチレンの働き新発見
入学2年目(中学2年次)に「リンゴとバナナを同じ袋に入れると、バナナが早く熟す」という生活の知恵を知り、リンゴから出る植物ホルモン「エチレン」の研究を始めた。高校1年次にエチレンがカイワレの葉をカールさせる現象を発見し、先行研究がないため、自ら原因を探ろうと研究を始めた。
研究は地道な作業ばかり。1000枚以上のカイワレの子葉をスライスし、一つ一つの細胞を観察した。そして昨夏、ついに「エチレンがカイワレの子葉の裏の細胞の成長を抑制する」ことを突き止めた。
当初は実験をしても結果が得られず「頑張ってやっているのに…と辛い時期もありました」と振り返る。しかし「やるからには新しい発見をしたい」と、粘り強く研究を続けた。研究の成果や発表の分かりやすさが評価され、ISEF(インテル国際学生科学技術フェア)をはじめ国内外の賞を多数受賞した。会場ではポスター発表などを通じて海外の高校生とも交流し、刺激を受けた。「とりわけアメリカの高校生は、同じ植物に関する研究でも食糧危機と関連付けるなど、スケールの大きさを感じました」
生物系の学部に進学し、将来は、研究職に就くのが目標。「大学入学後から研究に取り組み、学会の発表などにも積極的に参加したい」と抱負を語る。(堤紘子)
久保さんへのQ&A
Q.高校生活でやるべきことは?
好きなことや興味のあることを、とことんやるべきだと思います。目的を持って取り組むことが大切です。たくさん努力すれば、きっと成果が出るはずです。僕は研究の傍ら、3年間文化祭実行委員を務めましたが、研究も文化祭も「楽しんで取り組む」といつも心がけていました。
Q.高校での勉強のコツは?
学校から与えられたものは、できるだけしっかり取り組むことです。僕は、授業内でできるだけ理解するように、授業を大切にしていました。勉強とその他のメリハリをつけることも大切だと思います。
Q.研究に取り組む高校生にアドバイスをお願いします。
研究の目的をしっかり定めて、楽しんで取り組むことです。研究は地道な作業が多いと思いますが、続ければ成果が出るはずなので頑張ってほしいです。
学校の特色
科学教育・国際理解教育・人間教育を教育の柱とする中高一貫6年制。SSH指定校、研究機関や大学・企業との連携により、理数系への関心を高める取り組みを多数実施。4年次NZ語学研修。「並木メソッド」により物事の本質を追究。