関西の高校生たちが企画・実施する「ワン・ワールド・フェスティバル for Youth」が2016年12月23日、大阪国際交流センターで開催され、延べ6000人の高校生や一般客が集まった。

 

「ワン・ワールド・フェスティバル for Youth」は高校生で構成された実行委員会と、高校・大学教員、NGO職員で構成された運営委員会によって企画・運営されている。3回目となる今回は「見方が変わる!世界も変えちゃう!」をテーマに多くのプログラムが実施された。

国際交流や国際協力、震災復興支援などに取り組む高校生らがブース出展や活動報告会、ポスターセッションなどを通じてそれぞれの活動を紹介したほか、国際協力に対する活動費を助成する高校生対象のコンペ大会や留学生とのディカッションなどに参加した。また高校生による民族音楽や民族舞踊の披露や、世界の料理が楽しめるカフェもあった。

高校生実行委員会は滋賀、京都、大阪、兵庫の5校10名が集まり2016年7月に発足した。全体テーマを決定し、「100人村」、「難民」や「フェアトレード」をテーマにしたワークショップ、高校生のボランティア団体による講演会や企業の社会的責任について考えるシンポジウム、ミュージシャンによるトークセッションなどの企画を立案・運営した。また、SNSを通じた広報活動や、会場で流すNGOを紹介する動画の製作も担った。実行委員長で立命館宇治高校3年の山本実桜さんは「親しみやすいイベントにしようと企画しました。海外は遠いイメージですが、国際協力は意外に身近なところに潜んでいることを知ってほしい。私もこのイベントを通じて高校生もいろいろなことができると励まされました」と話している。

大学生からエール 

 

「ワン・ワールド・フェスティバル for Youth」には、高校生だけでなく、NGOや大学、企業なども参加している。ブース出展した京都外国語大学は学生たちが主体的に国際交流や国際協力に参加する活動「PAX MUNDI プロジェクト」が盛んだ。その活動の一つ、カンボジアの識字率を上げるためにオリジナル絵本を制作し、現地で配布する「Picture Books for Cambodian Children」は昨年、小学校や孤児院などで1200冊もの絵本を子どもたちに直接手渡しした。メンバーの安倍実羽子さん(3年)は「子どもたちが絵本を喜ぶ姿を見て、たくさんのことを学び、いろいろなことに挑戦したい気持ちが強くなった」と活動の意義を話す。味坂夏子さん(2年)も「海外での活動には不安もあると思いますが、一歩踏み出したら変わります。やりたいと思う気持ちを大事にしてほしい」と高校生にエールを送った。