インターハイの団体戦で、11 度の優勝を誇る国士舘(東京)柔道部。今年の都予選では一人も負けずに出場を決めたが、部員におごる様子はない。ライバル校の分析とウエートトレーニングに力を注ぎ、この夏、12 度目の優勝を目指す。(文・写真 斉藤健仁)

3月の全国高校選手権では東海大浦安(千葉)に敗戦。5月の関東大会予選、6月の関東大会ではライバル足立学園(東京)に決勝で連敗した。それだけに岩渕公一監督(58)は「(都予選で)リベンジしたい気持ちが強かった」と話す。

一人も負けずに優勝した、強さの秘訣はどこにあるのか。磯田範仁主将(3年)=東京・国士舘中出身=は「研究の成果です」と胸を張る。

部員の多くが寮生活を送る中で、監督を含む全員で対戦相手のビデオを見て、強みと弱みを分析。監督はリポートを作成し、部員たちに配っている。「ライバルは東海大浦安と東海大相模(神奈川)。インターハイで勝つためにはやっぱり研究が大事」(磯田)と準備に余念がない。

7月に開催される金鷲旗大会、8月のインターハイと、暑さが予想される福岡での戦いが続く。岩渕監督は「朝は週3日は道場ではなくグラウンドで跳ねたり走ったりしてきましたが、それを続けます。さらに午後の練習後にウエートトレーニングもします」とパワー面でさらなる強化を誓う。

都予選個人100㌔級優勝の田崎健祐(3年)=同中出身、90㌔級優勝の江畑丈夫(3年)=同中出身=を擁し、層は厚い。それでも団体戦優勝のための鍵として「チームワーク」を掲げる。「春に負けているので、自分が言わなくても分かっているはず」と、磯田は仲間を信頼する。チーム一丸となり、王座奪還へ駆け上がる。