第1回の全国大会が開催されてから100年を迎えた第97回全国高校野球選手権大会は、東海大相模(神奈川)の45年ぶりの優勝で幕を閉じた。今年は、特に大会前から話題を集めていた選手が多かった。その選手たちが期待通りの活躍し上位に進出したことで、大会はより一層の盛り上がりを見せた。注目選手を振り返る。
(手束仁)

優勝を決めた小笠原(東海大相模)

 決勝は、東海大相模の小笠原慎之介(3年)と、仙台育英(宮城)の佐藤世那(3年)という左右の好投手が投げ合った。最後は小笠原が自ら本塁打を放って熱戦に決着をつけた。東海大相模では、スライダーの鋭い吉田凌(3年)も大会を通じて好投して優勝に貢献している。

 投手では秋田商のべスト8進出の原動力となった成田翔(3年)と、最後はサヨナラ本塁打を浴びたが、ピンチでも冷静な投球で終始した中京大中京(愛知)の上野翔太郎(3年)、背番号16ながら大会を通じて成長していった関東一(東東京)の金子尚生(3年)も印象に残った。

 捕手では仙台育英の佐藤を好リードした郡司裕也(3年)と強肩でパンチ力もある伊藤寛士(中京大中京3年)が目立つ存在だった。

勝負強さ見せた平沢(仙台育英)

 内野手では遊撃手に好選手が多かった。中でも、仙台育英の平沢大河(3年)は広い守備範囲と、準決勝での本塁打など、大事な場面で必ず打つ勝負強さは高く評価された。東海大相模の杉崎成輝(3年)、作新学院(栃木)の添田真海(3年)、春の優勝校・敦賀気比を下した花巻東(岩手)の田老麗希(3年)も攻守にバランスが取れていた。

 関東一とともにベスト4に残った東京勢の早稲田実(西東京)では一塁手の清宮幸太郎が1年生ながら注目され、2本の本塁打を放つなど期待に応えた。また、3本塁打を放った九州国際大付属(福岡)の大型三塁手、山本武白志(3年)も注目された。

走攻守に存在感オコエ(関東一)

 外野手では関東一で一番を打つオコエ瑠偉(3年)が、俊足を武器に攻守走でその存在感を示した。仙台育英の控え投手でもあったが、むしろ外野手としてよく打った百目木優貴(3年)も好選手だった。