成田国際高校の少林寺拳法部は、「継続は力なり」をモットーに掲げている。日々の修練が実り、昨年7月に香川で行われた全国高校少林寺拳法大会では、松川風美香さん(3年)が単独演武で優勝。団体演武は準優勝、組演武でも3位に入り、千葉県は女子最優秀県に選ばれた。今年も女子が3種目で夏の全国大会出場を決めた。

部員は男女合わせて約40人。ほとんどが初心者として入部するが、その多くが黒帯を取るまでに上達するという。ただ、4人いる顧問も競技経験はなく、「20年以上前に部を創部した鬼澤昌宏先生(千葉県少林寺拳法専門部委員長)に助言をいただいたり、平日は月2、3回程度、卒業生に外部コーチとして見てもらったりしています」と顧問の森村睦子先生。指導者がいない普段の日は、部員同士で互いに指摘し合いながら技を磨いている。

石田誠治君(3年)は「初めて見学に来たときは先輩の気合に圧倒されたが、練習にメリハリがあり、練習以外では和やかで、みんなが楽しく話せる雰囲気がある」と話す。少林寺拳法は短期間に上達するものではない。ランニングや声出し、突きや蹴りといった基本から組演武、団体演武の練習まで、「コツコツ努力を積み上げることが大切」(石田君)。部長の具志川昌希君(3年)は「自分では技の成熟度が分かりにくい分、ほかの人に褒められたときに喜びを感じる」と言う。

4月の千葉県総合体育大会で、成田国際は女子が組演武と団体演武で優勝し、単独演武も含めて3種目で今夏の全国大会の出場権を獲得。男子も3種目で関東大会行きを決めた。「団体は昨年とはメンバーも替わるので、また一から鍛えて全国制覇を目指したい」(松川さん)、「県大会では、予選でも本戦でもミスをしてしまった。関東大会では県大会で負けた2校に雪辱したい」(具志川君)と、それぞれ決意を語る。成田国際の道場には今日も気合の入った大きな声が響き渡る。(文・写真 小野哲史)

学校紹介

1975年創立。福尾俊彦校長。生徒数977人。校訓は「真摯・創造・友愛」。