2024年度大学入学共通テストが1月13日(土)、14日(日)に全国の大学など668会場で実施された。運営する大学入試センターによると、最も受験者が多い外国語(筆記・リーディング)の受験者は45万535人(受験率91.6%)だった。

英語は語数増え難化か、国語は平均点上がる可能性

13日は「地理歴史、公民」「国語」「外国語」、14日は「理科」「数学」の試験が行われた。「英語(リーディング)」について駿台・ベネッセが運営する「データネット」は昨年より難化したとみており、共通テスト開始以来最も低い点数だった昨年の平均点(53.8点)と同程度か下回る可能性がある。素材文の語数が昨年より400語多い4900語だったという。一方、「国語」は昨年よりやや易化したといい、昨年の平均点(105.7点)より上がりそうだ。

大学入学共通テストの問題

共通テスト4年目「出題は安定」、長文読む力は各教科で必要

共通テストの出題の特徴である初見の資料や実験を素材に思考力をみる設問や、授業や生活の場面を設定した設問は今年も各教科でみられた。河合塾は「共通テストも4年目となり、各教科とも出題の意図や難易度が明確になって安定してきた」とみている。「単なる知識問題ではなく、知識を活用して運用する力、図表やグラフを分析して読み解く力、長めの文章や多くの資料を時間内に読み込んで正確に理解する力が必要」という。時事に関連した出題としては現代社会で「インターネットを利用した選挙」、「SDGs」、政治・経済で「成人年齢の引き下げ」、生物基礎で「外来生物と生態系」などが題材になった。

英語リスニング試験に使われたICプレーヤー

再試験対象は50人、不正行為で失格は4人

2日間を通じて多くの受験生に影響するトラブルはなかったが、試験監督者が正規の試験時間を確保しなかったり、科目選択をめぐる受験生の申し出に誤った対応をしたりするミスなどで14日夜までに50人が再試験対象となった。英語のリスニング試験で、機器の不具合や受験生側の操作ミスなどで再開テストや再試験の対象となったのは受験者の0.01%にあたる55人だった。不正行為は、カンニングペーパーの使用(2人)、試験終了後の解答、定規の使用があり、4人が失格(全科目の成績が無効)となった。

大学入試センター

得点調整有無は19日に発表、追試験は27・28日

大学入試センターは、科目ごと平均点の速報を1月17日午後に発表する。大半の答案の採点を終える19日には平均点と得点調整の有無を発表する。

再試験と13・14日の本試験を病気や事故、やむを得ない事情で受けられなかった受験生のための追試験は1月27・28日に行われる。追試験会場は、予定されていた東京・京都に加え、能登半島地震の被害が大きかった石川県にも設けられる。