受賞理由
日ごろから学習活動や文芸活動に意欲的に取り組み、平成27年度「第19回全国高校生創作コンテスト」俳句の部において優秀賞を受賞し、同コンテストにおける本校の文部科学大臣賞受賞に大きく貢献した。まじめな人柄で向上心も強く、何事にも真摯に取り組む姿勢は、同級生をはじめ後輩にも影響を与えており、評価に値する。
友達の支えに感謝
進学を母と悩める暑き夜
3年生の夏休みを前にした国語の授業。「パッと思い浮かんだ」俳句が「全国高校生創作コンテスト」優秀賞。卒業を前に迷いはない。英語教師の夢に向かい大学へ進む。
「決めた事をやり通す」。入学時に心に決めた。電車とスクールバスを乗り継ぎ通学時間は片道約1時間。時間的にゆとりのない中、吹奏楽部に入部。トランペットを担当し、2年連続でマーチングステージ全国大会に出場し特別賞と銀賞を受賞した。
春の体育祭では応援団員として仲間と一緒にダンスで盛り上げた。春休み中はダンスの練習に明け暮れた。クラスでは進路委員として級友に奉仕した。2年生の時、上級生に英語を教える機会があった。喜んでくれたことで、教える喜びを知り、進路を決めた。
ハードな部活と勉強との両立に悩み落ち込んだこともあった。その時、部活の仲間が言った。「あなたがいないと成り立たない。くじけたら目指している事できないよ」
この言葉に新たなエネルギーが湧いてきた。電車の中で英単語帳をめくり、部活にも集中した。「友達が自分を助けてくれた。私も周りの人を大切にして生きたい」。後輩たちに「高校生にしかできないことを、納得がいくまでやり抜こう」と語り掛ける。(南隆洋)
奥村さんへのQ&A
Q.俳句歴は長いのですか?
いいえ。高校に入ってからです。国語の時間、一学期に一回程度、俳句創作の時間があります。全国大会に入賞した私たちの学校の先輩や同級生らの作品を城尊恵先生が冊子にまとめて配ってくれました。これを見ると、「私も‥」という気になります。
※城先生は、創作の立脚点を「いのちを大切にするこころ」とし、「実感から生まれた」共感と感動の17文字を求める。出来立ての俳句を前に語り合い、生徒の思索を深めてゆく。
Q.遠距離通学にめげず、部活、体育祭、学級活動‥すべてに全力。よく続けられましたね。
部活は土日もあるので、勉強はちょっとした合間も利用し、自宅学習3時間を心がけました。何より、苦しい時、友達が助けてくれたことで、やり抜くことができました。だから、私も人を大切にしたい。
Q.この高校に入ってよかったことは?
自分の将来を考えるようになったこと。(学年を超えた少人数教育の場があり)3年生に英語を教えてあげたら、「成績が伸びたよ」とわざわざ知らせに来てくれた。私もうれしくなり、英語の先生になろうと決めました。
Q.後輩に伝えたい事は?
高校生時代にしかできない事、部活も勉強も自分で決めたことは納得いくまで思いっきり。やりとげよう。そして、周りの人を大切にすること忘れないで。
学校の特色
国際社会を生き抜く個性豊かな人材を育成するため、世界各国から積極的に留学生を受け入れている。また、部活動では近年、硬式野球部・柔道部・剣道部・女子バレー部・女子バスケット部・文芸部・吹奏楽部が全国大会に出場している。