私は人見知り。最近の話題について話すよりも、一人で読書をするのが好きです。だけど、高校2年のクラスでいざ本当に「ぼっち」になると、さみしい気持ちに。そんな時に趣味の読書を通して「脱ぼっち」ができ、友達を作る上で重要なコツを学びました。(高校生記者・もち=2年)

新しいクラスで「ぼっち」に…

「どうしよう、全然友達ができない」

教室の自分の席に座りながら、私は内心焦っていました。高校2年生になった私は、初っぱなから同じクラスの友達ができないという問題に直面していました。 

友達にすすめた村上春樹の『羊をめぐる冒険』

人と仲良くなることが昔から得意ではありません。しかも、今年はそれまで仲が良かった友達全員とクラスが離れてしまい、クラスでいわゆる「ぼっち」になってしまいました。

一人の方が楽なものの、自分の目の前で人が楽しく騒いでいると、不思議なことにむなしくなります。気がついたら、私はそれまで平気だと思っていた「ぼっち」が嫌になりました。昼休みは読書に夢中のフリをして、さみしさを悟られないように頑張っていました。

読書会でクラスの男子とばったり

そんな状況が変わったのは、ある大学で開催された本について語り合う「ブックトーク」というイベントに参加したことがきっかけです。席につくと、隣の人に見覚えがありました。チラッと顔を見たら、同じクラスの男子だと気付きました。

去年も同じクラスでしたが、話したことがなく顔見知り程度。そのため、自分からは声をかけませんでした。相手も自分に気が付いたらしいのですが、お互い気まずくてイベントが始まるまで話しませんでした。

彼と友達に、おすすめ本を紹介し合い

ブックトークが始まり、私が本に関する感想を述べると、彼はそれに対して鋭い質問をしたり、自身の考察を述べたりしました。私はブックトークを通して、同じクラスの「読書友達」ができたのです。

壁に描かれた『羊をめぐる冒険』に登場するキャラクター(早稲田大学国際文学館・村上春樹ライブラリー)

最近は、お互いにおすすめの本を紹介し合っています。例えば、2人とも村上春樹が好きなので、私は『羊をめぐる冒険』をすすめました。彼に感想を聞いたところ、自分と全く着眼点が違ったのです。「同じ本を読んでも『違う本』を読んでいるみたいだ!」と、私は興奮しました。

無理に話題を合わせる必要はない

初めて本について話せる友達ができてとてもうれしいです。寂しさを紛らわすためだった昼休みの読書が、とても楽しくなりました。

人の悩みの9割は人間関係だといわれます。私も、人との付き合いが得意ではない自分に嫌気がさすときがあります。ただ、「類は友を呼ぶ」とよくいいます。友達ができない時に、無理に人と話題を合わせてまで仲良くなる必要はありません。

それよりも、趣味が共通な人を見つけて仲良くなるのが絶対に友達ができる近道。結局、自然にできた友達関係が一番うまくいくのだと知りました。