受験生が志願したいと思う大学は―。リクルート進学総研(小林浩所長)は7月27日、高校3年生にアンケートして人気の大学などを探ったランキング「進学ブランド力調査2023」を発表した。関東の高校生の1位は早稲田大が3年連続で選ばれた。関西では16年連続で関西大、東海では7年連続で名城大が1位になった。

調査は16回目。高校3年生15万4091人に調査票を送り、4月に9.9%から回答があった。大学進学希望者のみを選ぶなどした5973人の回答を集計した。「志願したい大学」は1人あたり4校まで選んでもらった。

関東は1位早稲田大、2位明治大、3位青山学院大

関東の高校生の中で志願したいと思った人が最も多かったのは早稲田大で、志願度(全体の中の割合)は9.2%だった。2位は明治大で、1位の早稲田大とともに3年連続となった。3位は青山学院大、4位は同率で中央大、立教大だった。

国公立大の最上位は昨年と同じ千葉大で、11位だった。20位までのランキングの中では、13位に筑波大、16位に東京都立大、17位に横浜国立大が入った。

高校生の文理別では、文系の1位は明治大、理系の1位は東京理科大だった。

男女別では、男女ともに1位は早稲田大だった。

関西は1位関西大、2位は同率で大阪公立大、近畿大

関西の高校生の中で志願度1位だったのは関西大(14.5%)で16年連続。2位は同率で大阪公立大、近畿大。昨年誕生した大阪公立大は昨年の3位から順位を上げ、近畿大は6年連続で2位となった。4位は関西学院大、5位は同志社大だった。

関西は関東に比べると国公立大が上位に入る傾向がある。6位に同率で大阪大、神戸大、11位に京都大、14位に大阪教育大と兵庫県立大が入った。

文理別では、文系の1位は関西大、理系の1位は大阪公立大だった。

男女別では、男女とも関西大が1位だった。

東海は1位名城大、2位名古屋大、3位は南山大

東海の高校生の中で志願度1位だったのは名城大(11.7%)で7年連続。2位も7年連続で名古屋大。3位は南山大、4位は中京大、5位は愛知大だった。

国公立大では、7位に名古屋市立大、8位に静岡大、9位に三重大、12位に岐阜大、14位に名古屋工業大などが入った。

文理別では、文系の1位は南山大、理系の1位は名城大だった。

男女別では、男女ともに1位は名城大だった。

私立大志向が高まる

小林所長によると、3エリアとも志願したい大学のトップは変化がなかったが、私立大学志向が高まっているという。国公立・私立が拮抗していた関西では6年連続で私立大志望率が上昇し48%に達した。東海においても私立志向が40%。関西・東海ともに私立志向が過去最高となった。

この理由として、小林所長は2025年から始まる新課程入試を挙げる。現在の教科・科目とは大きく異なるため、現高校3年生は浪人を避け、学校推薦型選抜(旧推薦入試)・総合型選抜(旧AO入試)などの「年内入試」で合格を決めようと現役合格を目指す層が増えると想定される。「早期にチャレンジの機会が多い私立を志向する層が増えている」という。

アンケートでは学問分野別の進路希望も聞いたところ、工学系でない「情報」系希望者が年々増加。対してコロナ禍の影響が色濃く残る「観光」「外国語」「国際」系は減少していた。