宅建、秘書検定、ファイナンシャルプランナー2級……。宇井星日さん(愛知・金城学院高校1年)は、これまでに29もの資格を取得した「資格マニア」だ。宇井さんが資格マニアになった理由や、普段の勉強方法について話を聞いた。(写真・学校提供)

「合格証書が増え楽しい」気づけば資格マニア

―たくさんの資格を取得するようになったきっかけを教えてください。

親の勧めで小学校4年生のときに漢検7級に合格しましたが、学年相応のレベルのため喜びをあまり実感できず、5級取得後は受検せずにいました。6年生の2月頃、漢検の勉強を再開すると達成感や合格の快感を覚えるようになり、約半年で4級から2級まで取得しました。

宇井星日さん

2020年1月、英検3級で満点近いスコアを取れたことがきっかけで、英語学習にも一層励むように。5月に準2級合格を目標に立てたのですが、コロナ禍により試験の中止が決まり……。余力ができたので、飛び級で2級を目指し、8月に合格できました。

「他の分野の知識を資格取得で得たい」と考え、その年の夏休み頃から資格取得に励むように。徐々に合格証書が増え、未知の分野を切り開くことが楽しく、気づいたら資格マニアになっていました。

―受検する資格はどのように決めていますか?

当初は「古本屋に陳列されている資格本の中から興味のあるものを手当たり次第取り組んでみる」というやり方が多かったです。とはいえ受検料が高額なものや、日程上受けられないものは泣く泣く断念しています。今の興味・関心は法律系の資格に向いていて、目標は行政書士合格。これを足掛かりに、司法書士など高度な法律系資格を取得したいです。

スキマ時間使い勉強重ねる

―1日に何時間くらい資格の勉強をしていますか?

最近は資格試験の直前ではないので学校の勉強の比率が高く、平日は1~2時間程度、土日はそれぞれ累計3~4時間程度勉強しています。私はスキマ時間の勉強を積み重ねていくタイプなので、あまり勉強した気にならないこともあります。

スキマ時間を使って知識を身に付ける

資格試験の直前はかなり勉強時間が増えます。宅建の場合は、試験の半月前からほとんどの時間を宅建に費やしていて、平日は4~5時間、土日は6~7時間程度勉強していました。

―取得までに一番苦労した資格は何ですか? 

ファイナンシャル・プランニング技能検定2級です。3級に合格していたため予備知識で苦労せずに合格するだろうと思っていましたが、これが大誤算。資金計画や保険を始めとする6分野について出題されるのですが、暗記の量が膨大なうえ、生命保険の契約など人生で未経験のことが多く苦労しました。

―取得した資格が役に立ったことはありますか? 

ビジネス文書検定1級がかなり役立っています。好きな政治家がいて、事務所スタッフの方など、さまざまな大人とメールをする機会があります。粗相があってはいけない場で社交的な文章を書けるようになりました。相手に不快に思わせないことや、感謝の気持ちを伝えることを念頭に置いて連絡を取るようにしています。さらに秘書検定で学んだ振る舞い方や正しい言葉遣いを組み合わせることで、相手に敬意を示しながら良い関係を築けました。

もう一つはパソコンの使用に関する資格、ICTプロフィシエンシー検定で学んだWordやExcel、PowerPointの作成技能です。授業でも使うことがあり、いかに見やすく簡潔に伝えられるかなど役立っています。

高2のうちに行政書士に挑戦したい

―最近挑戦した資格と、挑戦した理由を教えてください。

1月下旬に行われた気象予報士試験に挑戦しました。きっかけは、ある衆議院議員の方が気象予報士を受験したとインスタグラムで知ったことです。

1月下旬に気象予報士試験を受検

行政書士は、高校2年生の内に取得したいと考えています。年に1回しかない試験なので、一発で合格しなければなりません。宅建受検の際に民法を少し勉強したところ案外楽しく、さらに高難度の民法を学びたいと思い受検を決めました。

―たくさんの資格を得ている宇井さん。将来の展望を教えてください。

現段階で絞るのは難しいですが、資格を生かしての開業や、資格を組み合わせて社会のために貢献する職業なども視野に入れています。生涯学び続け、常に新しい知識を得ながら生きていきたいです。