部長や委員長など、「リーダー」と聞くと、先頭に立ち、高い統率力をもって活躍する姿をイメージしますよね。そんな姿に憧れて、なりたいと思う一方で、「私がなってもよいの?」と自信を持てず勇気が出ない人もいるのではないでしょうか。文化祭実行委員長の経験から感じた「リーダーシップ」のあり方についてお話しします。(高校生記者・hana =2年)

目立つばかりが素質ではない

昨年、文化祭実行委員長を務めました。しかし私は、統率力や存在感がある生粋のリーダータイプではありません。前年度の先輩はカリスマ性があったため、それに劣る自分が委員長で良いのか、当初は不安でした。

文化祭を彩るアーチ

ですが、文化祭を終えた今、委員長であったことを誇りに思えています。先生の「個性は目立つものばかりではない」という言葉がきっかけです。「リーダー=目立つ=オンリーワンの個性がある人」と考えていたので、心に響く言葉でした。

委員長としての活動は、人前に立つ前の「準備の段階」にこそ、苦労がありました。例えば、朝礼に出るときは、伝達事項を多くの人に的確に伝えることが大切です。そのために、あらかじめセリフを考えたり、ボードを作ったりして工夫していました。目立たないですが、コツコツと準備を進める丁寧さを「私の個性」と捉えることで、リーダーとして自信を持てたんです。

色とりどりの垂れ幕

仲間を知って適材適所の仕事を振る

「委員長は誰よりも仕事をしなければならない。自分でできる限り多く仕事をしよう」と思っていましたが、間違いでした。最もするべきは、「仲間を知る」ことです。

それぞれの仕事内容の把握や長所・短所を知ると、相手の長所や性格に応じて仕事の頼み方を決められます。例えば、絵が得意な人にはデザインをお願いしたり、真面目な性格の人には丁寧さを必要とする仕事を任せたりしました。

適材適所を考えて人を配置し、してくれたことは褒めることが大切です。すると、委員は仕事のやりがいを感じやすくなります。さらに、相手を思いやることは信頼にもつながります。

後夜祭のスマホライト

リーダーらしいリーダーでなくても、自分の長所を生かしてリーダーになることは誰でもできると思います。そしてあなたの短所は必ず仲間が補ってくれます。ほんの一瞬の高校生活。後悔のないよう、リーダーに立候補してみてください。応援しています。