今年度で3度目の実施になる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が近づいてきました。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとに、直前期の「国語」の勉強方法や押さえておきたいポイントをまとめました。

解答根拠の見極め力をつけて

現代文では、第1問でも第2問でも複数のテクストからの出題が予想されます。設問に答える際には、どの文章や資料に解答の根拠があるのかを見極めることが必要です。複数テクスト型の問題に積極的に取り組み、こうした問題に慣れるようにしておきましょう。

近代以降の文章からの出題では、生徒の作成したメモという体裁で実用的場面を想定した設問もあった。

複数テクストにおける出題になったことで、センター試験のとき以上に時間内で正確に解くことが難しくなっています。1題の問題に集中して取り組むだけなく、現代文2題・古文・漢文の合計4題を、時間内にバランスよく解くという練習もしておくようにしましょう。

直前期は重要古語の暗記で点数UP

共通テストにおける古文で最も重要なのが、長い本文と選択肢を正確に対照させる力。そのためには基礎知識を充実させ、演習を重ねることで、解答時間の短縮を目指していってください。

2022年度の古文は、『増鏡』と『とはずがたり』からの出題だった。

直前期の対策として効果があるのは、重要古語の暗記です。古文単語をひとつでも多く覚えると良いでしょう。和歌が頻出するのも共通テストの特徴。和歌に苦手意識がある人は、これまで解いてきた問題から、和歌だけを抜き出して集中的に訳してみるなど、苦手意識を取り去っておきましょう。

句形・重要語・頻出表現を確実に暗記

漢文対策で重要となるのは読解力となります。そのためには、句形や重要語、そして頻出表現をいかに覚えるかがポイントとなります。これらを繰り返し練習して覚えることが、読解力養成の近道となります。

句形や語句の知識だけでなく文脈の正確な理解が不可欠となります。ひとつひとつの文の意味をおろそかにせず、丁寧に訳す練習を重ねてください。

 
近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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