未婚の男女が増え、婚姻率も低下しています。一番身近な「自分の親の姿」を見て、高校生たちは「結婚」に対してどんなイメージや意見を持っているのでしょうか。高校生記者たちに聞きました。

結婚は生活できてこそ

うちは母が家事全般だけでなく虫の退治、電球の交換等までほぼ1人でしています。一度お母さんに「なぜ結婚したのか」聞いたところ、「付き合っている間は好きだったが、結婚してから家事を全くしてくれないから、今は好きというよりあきれている」「でも、(銀行員のため)お金に詳しくて家計を支えてくれているので助かっている」「虫の退治や電球の交換は男がやるのが普通と言われたりするけど、もうそういう時代じゃないし私がやればいいから」と言っていました。

それを聞いて、「好きであれば結婚が成立する」というわけではなく、「生活できてこそ」なのだなと感じました。経済的な面でメリットがあるから、そこまで好きじゃなくても結婚するのだと思いました。(ちょこ=3年)

結婚や夫婦の在り方について考えてみる(写真はイメージ)

夫婦別姓を認めて

珍しい名字なので、母は「フェイスブックとか本名をさらさなくてはいけないとき、すぐに自分だとバレてしまうから、この名字になるのは正直嫌だった」と言っていました。夫婦別姓が認められていないことに私は疑問を感じています。確かに、別姓だと困ることもあると思いますが、そこも覚悟した上で別姓を選択することは認められてもよいと思います。(rim=1年)

帰宅して母がいないと寂しい

父は会社員で、母はパートとして10時から15時まで働いています。現代の社会では、両親が正社員で共働きする家庭が昔より増えていると思います。「帰宅すると母がいて、一緒におやつを食べて、話す」という環境に慣れているので、誰もいなかったら私は寂しいです。

母も、家でご飯作ったり、掃除したり、洗濯物を干したり、買い物に行ったりといろんなことをしながら、とても満足して暮らしています。結婚したら、正社員でいるのか専業主夫・主婦になるかは、相手と共に考えて暮らしていくべきなんだなと思いました。(ラパン=2年)

夫婦の在り方にも多様性を

両親は仲良くやっていますが、休日に母が「自分一人の時間がほしい」と言って、私と父を外出させることがあります。夫婦は二人の時間を楽しむもの、二人で過ごすものと思っていましたが、両親を見てそうとは限らないことに気が付きました。

夫婦のそれぞれが個性を持った人間で、自分のしたいことだってあるはずです。それを尊重し合うための別居婚や通い婚がもっと日本で理解され、当然の選択肢の一つになっていくと良いと思います。(かすてら=1年)

いろんな夫婦の在り方が認められる社会を実現したい

結婚後の姿に「決めつけ」はいらない

私の母は専業主婦。最近は、共働きの世帯も増え、結婚をして子育てを続けながら働く女性も多くなっていますが、そんな女性ばかりがもてはやされるような風潮に、少し疑問を抱いています。

もちろん、夫婦で家事を分担することなどは大切だと思います。しかし、「女性は結婚して出産した後も働くべき」「結婚したら家庭に入るべき」などと考えを押し付けるのではなく、その人の気持ちや体調の変化に合わせて、柔軟に対応することに重きを置く風潮になれば良いなと思います。(桜いをり=2年)

自分自身を大事にする視点をもって

「お互い違うところがあるから良い、凸凹だから支え合える」なんて言葉を聞きます。ですが、人によっては「相手に負担を掛けているだけ」になっていることもあるのではないでしょうか。そうなってしまうと、一方がストレスや不満を抱えることになってしまいます。

結婚に期限はありません。「パートナーとの時間が大切だから結婚する」というのはすてきですが、パートナーだけではなく自分自身も大切にすべきです。大切な関係だからこそ、どちらか一方だけの負担にならないために、たっぷりと時間をかけてこの先の選択をしてはいかがでしょうか。(からす=2年)