英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は2022年10月12日、世界の大学のうち104カ国・地域の1799校を研究の影響力や国際性などの基準で順位付けした「世界大学ランキング」の2023年版を発表した。日本からは米国についで多い117校がランクインした。(記事末尾に一覧掲載)

東大、京大が順位下げる
日本からランクインしたのは117校で、米国(177校)に次いで多い。世界ランキングを重視してエントリーする大学が多いことも反映しているとみられる。
日本の最上位は東京大の39位で、一昨年(36位)、昨年(35位)より順位を下げた。二番手に入った京都大(68位)も、一昨年(54位)、昨年(61位)より下がった。順位と点数が詳しく公表される200位以内に入った日本の大学は2校だけだった。
500位までに入ったのは東北大(201-250位)、大阪大(251-300位)、名古屋大、東京工業大(ともに301-350位)だった。600位までに入った10校はすべて国立大だった。
会津大が「国際性」で高い点数
601-800位に、私立の関西医科大、産業医科大と公立の横浜市立大が入った。この3校は「被引用論文」の点数が高く、有力な論文を書いた研究者がいることがうかがえる。
「教育」の点数が高かったのは東京大、京都大、東北大など大学院博士課程の学生が多い大学が中心。会津大(801-1000位)は、「国際性」の点数が際立って高かった。

世界1位はオックスフォード大、200位以内に中国11校、韓国6校
世界1位は7年連続でオックスフォード大(英国)。10位までは米国と英国の大学が占めた。20位以内にアジアからは前回に続き中国の清華大学と北京大学が入ったのに加え、シンガポール国立大が19位にランクインした。
中国から200位以内に11校が入った。韓国からはソウル大(56位)など6校が200校に入った。
研究力と大学院教育を重視したランキング
THEの世界大学ランキングは、エントリーした大学について教育(評判調査や博士号取得者の比率など)、研究(評判調査や研究関連の収入など)、論文の被引用数、国際性(外国籍の学生や教員の割合など)、産業界からの収入のそれぞれを点数化して順位付けする。
順位は点数の基になる基準に左右されるため、順位は絶対的なものではない。THEの世界ランキングは研究や大学院教育の成果を重視しているのが特徴で、日本からは医学系や理工系の研究者を擁する大学が上位に入りやすい傾向がある。