私たちがいつも読んでいるニュースは、取材をする記者によって届けられています。新聞記者である父に、仕事内容をインタビューしました。(高校生記者・つくし=3年)

会いたい人に会える

―新聞記者の仕事内容は?

人に会って話を聞いたり、資料を調査したりして記事を書くよ。自らの関心や得意分野でニュースになることを探して書くこともあるし、事件・事故・自然災害のように予測不可能な出来事で取材が始まることもあるよ。

自宅の仕事場

―いつ仕事をするの?

基本、相手の都合に合わせて働くから不規則になりがちだよ。休日出勤や泊まり込みで仕事をすることもよくあるしね。

―大変だね。じゃあ、この仕事の魅力は何だと思う?

全国、そして世界中のどこにでも行くチャンスがあることだね。会いたい人に会えることも魅力的だよ。

高校時代から毎日、新聞を読んだ

―新聞記者を目指したきっかけは何?

大学生の時に文章を書くのが得意だったことかな。

―どんな技術や能力が必要なの?

分かりやすい日本語で文章を書く能力が必要だよ。記事が分かりにくい理由は、読む側の読解力不足ではなく、書く側の表現力不足だからね。

中曽根康弘元首相(右から2人目)、細川護熙元首相(右から1人目)の対談を取材した際の記念写真。左端は松田喬和(まつだ・たかかず)毎日新聞客員編集委員

―その能力はどうやって身につけたの?

高校生のころから毎日、新聞を読んだよ。気になる記事を1日1本だけ読むつもりで新聞を開くと、「隣の記事も面白そうだ、ついでに読んでみよう」といった具合で、1ページ丸々読んでしまうこともよくあったな。こんな風に普段から新聞を読んでいたら、自然に知識も豊富になっていったよ。

「知らない」ことを知る人が向いてる

―新聞記者の仕事は将来、どんな風に変わっていくと思う?

パソコンやスマホでニュースを読むスタイルが普通になっても、記事作成を全面的に自動化するのは不可能だから、取材して記事を書く仕事は残るよ。ただ、従来の「何でも屋」的な新聞記者は減って、分野ごとに専門性の高さを求められるようになると思う。

―向いているのはどんな人?

「自分は物事を知らない」という認識がある人かな。知らないからこそ知ろうとするし、まだ知らない人に分かりやすく伝えようと努力できるからね。

―まさに「無知の知」だね。最後に、新聞記者をめざす高校生が今やっておいたほうが良いことは?

友人・知人とたくさん話すこと、本をたくさん読むこと、運動をたくさんして体力をつけることかな。あとは、この社会が良くなるには何が必要か、ほんの少し考えてみよう。

マニラにあるマッカーサー記念室。つくしさんも取材に同行した

【取材後記】楽しんで仕事に誇り、持つ姿を知れた

常に変動する情勢の最前線に立って情報を伝える新聞記者は、激務になることも多々あります。一方で、父はそれを楽しみながら誇りを持って仕事をしていることが伝わってきました。

父はインタビューの最後に「新聞を毎日読む人の全員が新聞記者の候補になる」と言っていました。勉強でもスポーツでも、毎日少しずつ努力することが必要なのと同じで、「日進月歩」を心がけることが将来の夢をかなえる第一歩になるのだと改めて感じました。