世界の高校生らが生物学の実験と理論の試験に挑む第33回国際生物学オリンピック(IBO2022)が7月10日から18日までアルメニアで開催され、日本代表として高校生4人が参加、金、銀、銅のメダルを1個ずつ獲得した。文部科学省と国際生物学オリンピック日本委員会が7月19日、発表した。

3人がメダル獲得

日本代表の4人。左から嶋田さん、井上さん、川上さん、三田村さん(7月8日に東京都内で行われた結団式)


 大会は大学などの教育を受けていない20歳未満の生徒が対象。生物学の研究への興味を深めて才能を伸ばしてもらうとともに、生物学好きの生徒同士の国際交流を図ることなどが狙い。今大会には59カ国から代表たちが参加した。

金メダルは参加者の上位約1割に、銀メダルが続く約2割に、銅メダルが続く約3割に贈られる。

日本代表は以下の4人(敬称略)。

  • 三田村大凱(みたむら・たいが=兵庫・灘高校3年) 金メダル
  • 嶋田佐津(しまだ・さつ=東京都立立川高校3年) 銀メダル
  • 川上航平(かわかみ・こうへい=福岡・久留米大学附設高校3年) 銅メダル
  • 井上泰直(いのうえ・やすなお=東京都立小石川中等教育学校5年)


 日本は2005年から毎年4人を代表として派遣。4人は、日本生物学オリンピックの優秀者から選抜され、大学などで研究者による合宿形式の特別教育を受けるなどして国際大会に備えてきた。

日本代表4人の横顔は

7月8日に行われた結団式で、4人は高校生新聞の取材に答え、以下のように語った。
井上さんが生物を好きになったきっかけは小学生の時までさかのぼる。「小学校の先生が自然が好きな人で。そこから自分も生物に興味を持った」のだという。
 自身が代表に選ばれたことに関しては「正直意外」という。3年ぶりの現地開催にあたっては、「行けると思っていなかったからうれしい」とにこやかに語っていた。

川上さんは、高校では水泳部員として活動する。生物は「好き」というよりも「得意」が先行したのだという。「高校の生物の先生が面白いけれどむちゃぶりな人で、高校生にやらせるような内容じゃないものを出してくる。それをやっていくうちに、生物が得意になっていった」そうだ。

7月8日に行われた結団式では認定証を贈呈された

三田村さんは、中学3年生のころから日本生物学オリンピックに参加。高校3年生になる今年、ついに日本代表に選ばれた。「幼稚園のころに映画『ジュラシック・パーク』を見て、恐竜をかっこいいと思った。それがきっかけで、生物に興味を持つようになった」という。

嶋田さんは小さいころから動物好き。動物や恐竜が好きという気持ちが膨らんで、生物という科目を突き詰めるようになった。また、高校では軽音楽部に所属し、ギターを演奏するという一面も見せる。