第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「数学Ⅰ」の問題分析は次の通り。

第1問〔2〕で背理法が扱われた。問題量、計算量ともに増加し、昨年よりやや難化

昨年と比較して中問形式の問題が1大問増加した。特定の分野に偏ることなく幅広く出題されている。現実事象の題材や対話形式から考察させる出題もあり、数値を答えさせるだけでなく、条件にあてはまるものを正しく選択させる問いも出題された。昨年よりやや難化。

大問数・解答数

昨年と同様、大問数は4ですべて必答。

出題形式

昨年同様、文章や語句を選択する問題が多く出題された。昨年と異なり、第2問の「図形と計量」が2中問構成で、第4問を除いたすべての大問が2中問構成で出題された。

出題分野

数学Iの全分野から出題。

問題量

昨年より増加。

難易

昨年よりやや難化。

大問別分析

第1問「数と式」、「2次関数」 (20点・標準)  〔1〕は数学I・Aと共通

〔1〕は、a、b、cの3文字の対称式などに関する問題。(2)は、(1)を利用して考え、落ち着いて計算するとよい。〔2〕は、命題を対話形式で証明する問題。2次方程式の判別式を素材とし、背理法を用いて、対話から問題の手順を読み取り考えていけばよい。判別式の符号を正しく考えることができるかどうかがポイントであった。

第2問「図形と計量」 (30点・やや難)  〔1〕は数学I・Aと共通、〔2〕は数学I・Aと一部共通

〔1〕は、異なる縮尺で表された長さを考慮して、角の大きさを考える現実事象の問題。三角比の表を用いて、山頂の仰角を考察する基本的な問題。〔2〕は、半径3の円に内接する三角形について、内角の大きさや辺の長さ、頂点から下ろした垂線の長さを問う問題。(2)の(ii)で、ABの範囲を正確に考えられるかどうかがポイントであった。

第3問「2次関数」、「数と式」 (30点・やや難)  〔2〕は数学I・Aと共通

〔1〕は、2つの1次関数のグラフの傾きとx切片の情報から、その2つの1次関数の積で定義される2次関数の最大値、または、最小値を問う問題。1次関数の傾きa、bの符号に注意し、係数c、dと、x切片s、tの関係を見抜くことがポイントであった。〔2〕(2)は、2つの2次方程式の少なくとも一方を満たす実数の個数が3個になるときの係数を対話形式で求める問題。(3)は、2次関数のグラフが係数の変化によってどのように動くかをグラフ表示ソフトで考察する問題。(4)は、2つの2次不等式の解についての論理の問題であった。前設問からの誘導が少ないため、少し解きにくかったであろう。

第4問「データの分析」 (20点・やや難)  数学I・Aと一部共通

各国における教員数、学習者数について、ヒストグラム、箱ひげ図から読み取り、散布図の選択や、相関係数などを求める問題など、問題量、計算量ともに昨年より増加し、データの分析の範囲から幅広く出題された。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 39.11点
  • 2020年度 35.93点
  • 2019年度 36.71点
  • 2018年度 33.82点
  • 2017年度 34.02点

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